論語」カテゴリーアーカイブ

孔子の論語 子罕第九の二十九 歳寒くして、然る後に松栢の彫むに後るることを知る

孔子の論語の翻訳237回目、子罕第九の二十九でござる。

漢文
子曰、歳寒、然後知松栢之後彫也。

書き下し文
子曰わく、歳(とし)寒くして、然る後に松栢(しょうはく)の彫(しぼ)むに後(おく)るることを知る。

英訳文
Confucius said, “When winter is approaching, we can notice that pine trees and cypress still hold their leaves.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「冬が近づく頃になってはじめて、松や桧がまだ葉を残している事に気が付くことができる。」

Translated by へいはちろう

これは困難に出会った時にはじめて人の真価が解るという例えでござるな。

ただ何でも無い日々を無事に過ごす事もとても大事なことだと思う次第。

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孔子の論語 子罕第九の二十八 忮わず求めず、何を用てか臧からざらん

孔子の論語の翻訳236回目、子罕第九の二十八でござる。

漢文
不忮不求、何用不臧、子路終身誦之、子曰、是道也、何足以臧。

書き下し文
忮(そこな)わず求めず、何を用(もっ)てか臧(よ)からざらん。子路(しろ)、終身(しゅうしん)これを誦(しょう)す。子曰わく、是(こ)の道や、何ぞ以(もっ)て臧しとするに足らん。

英訳文
“Do not envy others, do not be greedy. And you can be a good person.”, Zi Lu always says this sentence. Confucius said, “That is not enough. Our Way is farther.”

現代語訳
「他人を妬まず、必要以上に欲しがらず。そうすれば善人になれるだろう。」
子路(しろ)はいつもこの詩経の一節を口ずさんでいた。
ある時孔子がおっしゃいました、
「それだけでは十分とは言えない。我々の目指す道はもっと遠くにあるのだ。」

Translated by へいはちろう

子路(しろ:孔門十哲の一人。詳細は公冶長第五の七に。)

本によっては前回の文と併せて一つの文とするものもあるでござる。

毎日くちずさんでいるだけあって、子路はその一節をきちんと実践していたのでござろう。孔子はその点を評価しつつも、粗野な面がある子路は礼儀作法などを身に付ける必要があるとおっしゃったのではないでござろうか。

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孔子の論語 子罕第九の二十七 孤貉を衣たる者と立ちて恥じざる者は、其れ由なるか

孔子の論語の翻訳235回目、子罕第九の二十七でござる。

漢文
子曰、衣敝縕袍、與衣孤貉者立而不恥者、其由也與

書き下し文
子曰わく、敝(やぶれ)たる縕袍(うんぽう)を衣(き)、孤貉(こかく)を衣(き)たる者と立ちて恥じざる者は、其れ由(ゆう)なるか。

英訳文
Confucius said, “Zi Lu doesn’t feel ashamed of wearing shabby clothes when he stand by people with luxurious fur.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「自分は破れた綿製の衣服を着て、豪華な毛皮を着た人々の側に立っても少しも恥ずかしいと思わない者は、由(ゆう)だな。」

Translated by へいはちろう

(ゆう:孔門十哲の一人、仲由子路(ちゅうゆうしろ)の事。詳細は公冶長第五の七に。)

侠者(きょうじゃ)出身で孔子の教えを受けた子路ならば外見を取り繕って自分を良く見せようなんて気持ちは少しもなかったでござろうな。

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孔子の論語 子罕第九の二十六 匹夫も志しを奪うべからざるなり

孔子の論語の翻訳234回目、子罕第九の二十六でござる。

漢文
子曰、三軍可奪帥也、匹夫不可奪志也。

書き下し文
子曰わく、三軍(さんぐん)も帥(すい)を奪うべきなり。匹夫(ひっぷ)も志しを奪うべからざるなり。

英訳文
Confucius said, “You can capture a general of army. But you cannot capture an ordinarily man’s ambition.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「大軍を率いる将軍を捕らえる事はできる。しかし一人の人間の志を奪う事はできない。」

Translated by へいはちろう

普通に読むと自分も大きな志をもとうと単純に思うのでござるが、よくよく考えてみれば良い意味ばかりでは無いことに気が付くでござるな。人それぞれの価値観と志が衝突する時、悲しい結末を招くことが少なくないからでござる。

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孔子の論語 子罕第九の二十五 過てば則ち改むるに憚ることなかれ

孔子の論語の翻訳233回目、子罕第九の二十五でござる。

漢文
子曰、主忠信、無友不如己者、過則勿憚改。

書き下し文
子曰わく、忠信(ちゅうしん)を主とし、己(おのれ)に如(し)かざる者を友とすること無かれ。過(あやま)てば則(すなわ)ち改(あらた)むるに憚(はば)かること勿(な)かれ。

英訳文
Confucius said, “You should attach importance to loyalty and honesty and shouldn’t be a friend with worse people than yourselves, and should correct your mistakes without hesitation.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「真心と誠実さに重きを置いて人格的に劣るものたちと交際してはいけない。そして自らに誤りがあればただちに正すべきである。」

Translated by へいはちろう

同じ文章が学而第一の八でも出てくるでござるな。

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