論語」カテゴリーアーカイブ

孔子の論語 郷党第十の十七 君、命じて召せば、駕を俟たずして行く

孔子の論語の翻訳257回目、郷党第十の十七でござる。

漢文
君命召、不俟駕行矣。

書き下し文
君(きみ)、命(めい)じて召(め)せば、駕(が)を俟(ま)たずして行く。

英訳文
When the lord summoned Confucius, he left his house before a carriage was ready.

現代語訳
主君が孔子を呼び出した時には、馬車の準備が終わる前に家を出た。

Translated by へいはちろう

それだけ急いで主君のもとへ駆けつけたという事なのでござるが、いかにも儒学の形式主義があらわれた文でござるな。どうせ馬車においつかれるのだから先に出ても要する時間は同じでござる。ただ孔子に歩かせる事を恥として、御者を務める弟子が急いだ結果早く到着するという事はあったかも知れぬでござる。

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孔子の論語 郷党第十の十六 東首して朝服を加え、紳を拖く

孔子の論語の翻訳256回目、郷党第十の十六でござる。

漢文
疾、君視之、東首加朝服、拖紳。

書き下し文
疾(しつ)あるに、君これを視れば、東首(とうしゅ)して朝服(ちょうふく)を加え、紳(しん)を拖(ひ)く。

英訳文
When Confucius was ill and his lord visited him, he lay with his head facing east and covered him with court dress and a girdle.

現代語訳
病の孔子を主君がお見舞いに訪れた時には、孔子は東枕に寝て朝服と帯を体にかけて主君を迎えた。

Translated by へいはちろう

病気なので起き上がって正装して迎える事はできないが、せめてもの敬意を主君に対して表したという事でござるな。

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孔子の論語 郷党第十の十五 君に侍食するに、君祭れば先ず飯す

孔子の論語の翻訳255回目、郷党第十の十五でござる。

漢文
侍食於君、君祭先飯。

書き下し文
君に侍食(じしょく)するに、君祭れば先(ま)ず飯(はん)す。

英訳文
When Confucius ate dinner with his lord, he tasted food for poison while his lord was offering a short prayer.

現代語訳
主君と晩餐を取る時には、主君が初穂のお供えを祭ってる間に毒見をされました。

Translated by へいはちろう

礼記の曲礼・下篇には「君有疾飮薬,臣先嘗之.親有疾飮薬,子先嘗之.医不三世不服其薬」(主君が病で薬を飲む時には家臣が先に毒見するべし、親が病で薬を飲む時には子が先に毒見するべし、三代以上続いた医者の薬でなければ飲まない。)と記載されているでござる。

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孔子の論語 郷党第十の十四 君、食を賜えば、必ず席を正して先ずこれを嘗む

孔子の論語の翻訳254回目、郷党第十の十四でござる。

漢文
君賜食、必正席先嘗之、君賜腥、必熟而薦之、君賜生、必畜之。

書き下し文
君、食(しょく)を賜えば、必ず席を正して先ずこれを嘗(な)む。君、腥(なまぐさ)きを賜えば、必ず熟してこれを薦(すす)む。君、生(い)けるを賜えば、必ずこれを畜(か)う。

英訳文
When the lord gave Confucius food, he always straightened his seat and tasted it. If the food was raw meat, he always cook it and offered it to his ancestors. When the lord gave him livestock, he always kept them.

現代語訳
主君から食べ物を賜った時には、孔子は必ず席を正して少し試食をして受け取った。もしその食べ物が生肉だったなら、火を通した後で先祖への捧げ物とした。主君から家畜を賜った時には、必ずそれらを飼育した。

Translated by へいはちろう

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孔子の論語 郷党第十の十三 厩焚けたり

孔子の論語の翻訳253回目、郷党第十の十三でござる。

漢文
厩焚、子退朝曰、傷人乎、不問馬。

書き下し文
厩(うまや)焚(や)けたり、子、朝(ちょう)より退(しりぞ)きて曰わく、人を傷(そこな)えりや。馬を問わず。

英訳文
A stable was burned in a fire. Confucius came from the Court and asked, “Is everybody all right?” He did not ask about horses.

現代語訳
馬小屋が火事でやけた。すると孔子が宮廷からやってきてお尋ねになりました、
「怪我人はいないか?」
馬の事には触れませんでした。

Translated by へいはちろう

孔子の素直な優しさがにじみでてる文でござるな。

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