論語」カテゴリーアーカイブ

孔子の論語 郷党第十の十二 康子、薬を饋る

孔子の論語の翻訳252回目、郷党第十の十二でござる。

漢文
康子饋藥、拜而受之、曰、丘未達、不敢嘗。

書き下し文
康子(こうし)、薬を饋(おく)る。拝(はい)してこれを受(う)く、曰わく、丘(きゅう)未(いま)だ達せず、敢(あえ)て嘗(な)めず。

英訳文
Ji Kang Zi sent Confucius some medicine. Confucius received them politely and said to the messenger, “I have no idea about this medicine. So I dare not take it now.”

現代語訳
康子(こうし)が病気見舞いとして孔子に薬を贈った。孔子は丁重に受け取り使者に対しておっしゃいました、
「私はこの薬について何も知りませんので、今は口にするのを控えたいと思います。」

Translated by へいはちろう

康子(こうし:魯の宰相、姓は季孫、名は肥、康子は諡(おくりな)。魯の実質的支配者である三桓氏の筆頭。)

今回の文は食べ物などをもらった場合はその場で試食して受け取るのが礼儀とされていたのでござるが、薬だったので慎重に対応したと解釈されているでござる。

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孔子の論語 郷党第十の十一 人を他邦に問えば、再拝してこれを送る

孔子の論語の翻訳251回目、郷党第十の十一でござる。

漢文
問人於他邦、再拜而送之。

書き下し文
人を他邦(たほう)に問えば、再拝(さいはい)してこれを送る。

英訳文
A gentleman should bow repeatedly to his messenger when he send off a messenger to his friend in another country.

現代語訳
他国にいる友人に使者を出すときは、使者に対して再拝(繰り返し礼をする事)して送り出すべきである。

Translated by へいはちろう

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孔子の論語 郷党第十の十 郷人の飲酒には、杖者出ずれば斯こに出ず

孔子の論語の翻訳250回目、郷党第十の十でござる。

漢文
郷人飮酒、杖者出斯出矣、郷人儺、朝服而立於阼階。

書き下し文
郷人(きょうじん)の飲酒には、杖者(じょうじゃ)出ずれば斯こに出ず。郷人の儺(おにやらい)には、朝服して阼階(そかい)に立つ。

英訳文
A gentleman should leave a room after the elder who walk with a cane when he drinks with villagers. He should wear court dress and wait at east steps when villagers perform the ceremony which is held to drive away evil spirits.

現代語訳
故郷の村人たちと酒を飲み交わした時には、お年寄りより先に部屋を出てはならない。村人たちが儺(おにやらい:旧暦の大晦日に鬼や邪気を祓う儀式、日本の追儺・節分の原型)をする時には朝服を着て東側の階段に立って出迎えねばならない。

Translated by へいはちろう

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孔子の論語 郷党第十の九 席正しからざれば、坐せず

孔子の論語の翻訳249回目、郷党第十の九でござる。

漢文
席不正不坐。

書き下し文
席正しからざれば、坐(ざ)せず。

英訳文
If the seat is not straight, a gentleman should straighten it before sitting down.

現代語訳
座席が曲がっていたら座る前に真っ直ぐに正してから座るべきである。

Translated by へいはちろう

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孔子の論語 郷党第十の八 食は精を厭わず、膾は細きを厭わず

孔子の論語の翻訳248回目、郷党第十の八でござる。

漢文
食不厭精、膾不厭細、食饐而餲、魚餒而肉敗不食、色惡不食、臭惡不食、失飪不食、不時不食、割不正不食、不得其醤不食、肉雖多不使勝食氣、唯酒無量、 不及亂、沽酒市脯不食、不撤薑食、不多食、祭於公不宿肉、祭肉不出三日、出三日不食之矣、食不語、寢不言、雖疏食菜羮瓜、祭必齊如也。

書き下し文
食(いい)は精(しらげ)を厭(いと)わず。膾(なます)は細きを厭わず。食の饐(い)して餲(あい)せると魚の餒(あさ)れて肉の敗(やぶ)れたるは食(く) らわず。色の悪(あ)しきは食らわず。臭いの悪しきは食らわず。飪(じん)を失えるは食らわず。時ならざるは食らわず。割(きりめ)正しからざれば食らわず。其の醤 (しょう)を得ざれば食らわず。肉は多しと雖(いえど)も、食(し)の気に勝たしめず。唯だ酒は量なく、乱に及ばず。沽(か)う酒と市(か)う脯(ほじし)は食らわず。薑(はじかみ)を撤(す)てずして食らう、多くは食らわず。公に祭れば肉を宿(よべ)にせず。祭の肉は三日を出ださず。三日を出ずればこれを食らわず。食らうには語らず、寝(い)ぬるには言わず。疏食(そし)と菜羮(さいこう)と瓜(うり)と雖も、祭れば必ず斉如(さいじょ)たり。

英訳文
A gentleman should not dislike non-polished rice and thin-cut meat. But he should not eat stale rice, fish and meat. He should not eat discolored food, stinking food, over-stewed food, unseasonable food, food which was not cut properly and food without proper sauce. Meat should be less than rice. He should not drink till he gets intoxicated. He should not drink liquor and eat dried meat which were bought in the market. He should eat ginger to refresh his palate, but should not eat many. He should eat meat which was given by his lord at the rites by the end of the day. He should not offer meat over three days at the rites of his family. If over three days passed, do not eat the meat. He should not talk when he eats and when he sleeps. He must behave respectfully at the rites even if he offered coarse food.

現代語訳
飯の精米具合などを気にしたり、なますの厚みを気にしたりしてはならない。しかし時間が経過して色あせた飯や魚や肉の腐敗し始めたものまで食べる必要は無い。変色した食べ物は食べない、悪臭のする食べ物は食べない、煮込みすぎて精気を失った(型崩れした)食べ物は食べない、季節はずれの食べ物は食べない、切り口の雑な食べ物は食べない、適切な味付けがされてなければ食べない。肉は多くても飯の量を超えて食べてはならない。酒を飲む時には酔うほどに飲んではならない。市場で買った酒と干し肉は食べない。口直しの生姜は忘れずに食べるが、食べ過ぎてはならない。主君の行う祭祀でいただいた肉はその日の内に食べる。自らの行う祭祀においては三日以上肉を供えない。三日以上過ぎてしまった場合はその肉は食べない。食べる時には話さない。寝るときにも話さない。例え粗末な供え物であっても、祭祀において捧げる時には恭しい態度を損なわない。

Translated by へいはちろう

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