孔子の論語の翻訳291回目、顔淵第十二の二でござる。
漢文
仲弓問仁、子曰、出門如見大賓、使民如承大祭、己所不欲、勿施於人、在邦無怨、仲弓曰、雍雖不敏、請事斯語矣。
書き下し文
仲弓(ちゅうきゅう)、仁を問う。子曰わく、門を出でては大賓(だいひん)を見るが如(ごと)くし、民を使うには大祭(たいさい)に承(つか)えまつるが如くす。己(おのれ)の欲せざる所は人に施すこと勿(な)かれ。邦(くに)に在りても怨(うら)み無く、家に在りても怨み無し。仲弓が曰わく、雍(よう)、不敏(ふびん)なりと雖(いえど)も、請(こ)う、斯(そ)の語を事とせん。
英訳文
Zhong Gong asked about benevolence. Confucius replied, “Treat others as guests of honor when you meet them. Behave like you attend a rite when you use the people. Do to others as you would be done by. And you will not incur the people’s or your family’s enmity.” Zhong Gong said, “Although I am an idiot, I will put your words into practice.”
現代語訳
仲弓(ちゅうきゅう)が仁について尋ねました。孔子は、
「外で人と会う時には、大切な賓客の様に扱いなさい。民衆を使役する時には、大切な祭祀を務めるように振舞いなさい。自分がされて嫌な事を他人にしてはいけない。そうすれば人々やさらには家族からも恨みを抱かれる事は無い。」
と答えられました。仲弓は、
「私は愚か者ではありますが、先生のお言葉を実践したいと思います。」
と言いました。
Translated by へいはちろう
仲弓(ちゅうきゅう:姓は冉、名は雍、字は仲弓。詳細は雍也第六の一に。)
さて有名な「己の欲せざる所は人に施すこと勿かれ」でござるが、英訳にあてたのはこれまた有名な”Do (to others) as you would be done by.” (人にして欲しいと思うことを他人にしなさい – 新約聖書)でござる。
両方ともただその一言で説得力があるのでござるが、実践するとなると非常に難しいでござるな。
顔淵第十二の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 顔淵第十二を英訳を見て下され。