孔子の論語の翻訳122回目、雍也第六の二でござる。
漢文
仲弓問子桑伯子、子曰、可也、簡、仲弓曰、居敬而行簡、以臨其民、不亦可乎、居簡而行簡、無乃大簡乎、子曰、雍之言然。
書き下し文
仲弓(ちゅうきゅう)、子桑伯子(しそうはくし)を問う。子曰わく、可なり、簡(かん)なり。仲弓が曰わく、敬(けい)に居(い)て簡を行い、以(もっ)て其の民に臨(のぞ)まば、亦(また)可ならずや。簡に居て簡を行う、乃(すな)わち大簡(たいかん)なること無からんや。子曰わく、雍(よう)の言、然(しか)り。
英訳文
Zhong Gong asked about Zi Sang Bo Zi. Confucius replied, “Not bad. He is generous.” Then Zhong Gong said, “If he is both prudent and generous, and he associates with the people with prudence, he is quite good. But if he is only generous, he is too generous.” Confucius said, “I agree with you.”
現代語訳
仲弓(ちゅうきゅう)が子桑伯子(しそうはくし)の人柄について尋ねました、孔子は、
「悪くないな、彼は鷹揚だ。」
と答えられました。すると仲弓が、
「もし彼が慎重に考えた上で鷹揚に事を行って人々に接するならば、確かに良い人物ですね。しかし彼がただ鷹揚であるだけならば、単に大雑把なだけでしょう。」
と言い、孔子は、
「お前の言うとおりだ。」
とおっしゃいました。
Translated by へいはちろう
仲弓(ちゅうきゅう:姓は冉、名は雍、字は仲弓。孔門十哲の一人。前回の雍也第六の一では孔子に君主にふさわしいと評されている。)
子桑伯子(しそうはくし:孔子と同時代の隠者。荘子の中の寓話に子桑戸(しそうこ)と言う名前で登場する。)
気前が良い人物は多くの人々から好かれるものでござる。日本の偉い(と一般に言われる身分の)人々は伝統的に気前の良さで人々の好意や尊敬を買う傾向があるでござるな。それが善いか悪いかは別として、それが一番早道だからでござる。
しかし人々に対して気前がいいからと言って、自分もそれに甘えていい加減になってはいけないという事でござろうか。
雍也第六の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 雍也第六を英訳を見て下され。