孔子の論語 顔淵第十二の三 仁者は其の言や訒

孔子の論語の翻訳292回目、顔淵第十二の三でござる。

漢文
司馬牛問仁、子曰、仁者其言也訒、曰、其言也訒、斯可謂之仁已乎、子曰、爲之難、言之得無訒乎。

書き下し文
司馬牛(しばぎゅう)、仁を問う。子曰わく、仁者(じんしゃ)は其の言や訒(じん)。曰わく、其の言や訒、斯(こ)れこれを仁と謂(い)うべきか。子曰わく、これを為すこと難(か)たし。これを言うに訒なること無きを得んや。

英訳文
Si Ma Niu asked about benevolence. Confucius replied, “A benevolent person must speak modestly.” Si Ma Niu asked, “If he speaks modestly, is the person called benevolent?” Confucius replied, “It is difficult to put benevolence into practice. So his words become modest spontaneously.”

現代語訳
司馬牛(しばぎゅう)が仁について尋ねました。孔子は、
「仁者は、言葉を慎み深くする。」
と答えられました。司馬牛がさらに、
「たったそれだけで仁者と呼べるのですか?」
と尋ねたので、孔子は、
「仁を実践するとなると難しいのだ。だから仁者の言葉は自然と慎み深くなるものだ。」
と答えられました。

Translated by へいはちろう

司馬牛(しばぎゅう:姓は司馬、名は耕、字は子牛。孔子の弟子の一人。)

学而第一の三にある有名な「巧言令色鮮なし仁」を別の言い方をした感じでござる。

どちらかと言うと口先八丁な拙者には耳が痛い文でござるな。何度慎もうと思っても考えるより先に言葉が出てくることがある、おそらく一生の課題となるでござろう。

顔淵第十二の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 顔淵第十二を英訳を見て下され。