孔子の論語 雍也第六の二十三 知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ

孔子の論語の翻訳143回目、雍也第六の二十三でござる。

漢文
子曰、知者樂水、仁者樂山、知者動、仁者静、知者樂、仁者壽。

書き下し文
子曰わく、知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ。知者は動き、仁者は静かなり。知者は楽しみ、仁者は寿(いのちなが)し。

英訳文
Confucius said, “A wise person enjoys water, a benevolent person enjoys mountains. A wise person moves quickly, a benevolent person stays calm. A wise person enjoys changes, a benevolent person enjoys a long life.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「知者は(流動的な)水を楽しみ、仁者は(不動の)山を楽しむ。知者は行動的で、仁者はゆったりと落ち着いている。知者は変化を楽しみ、仁者は人生を楽しむ。」

Translated by へいはちろう

知者は行動力がある有能な人物のイメージでござるな、人の上に率先して立ってリーダーシップを発揮する様なイメージでござる。仁者は落ち着いた優しい人物のイメージでござるな、物事に対して受動的でありながら臨機応変に対処して自らが揺るがない様なイメージでござる。

ちなみに似たような言葉で、

「上善如水(じょうぜんみずのごとし) – 老子 第八章

というのがあり、こちらは水の流動性と生命にとっての普遍性に例えて、他者に恵みを与えながら低きへ流れる謙虚さを説いているのでござるな。

同じ水を使って表現しても違いが出るというのは面白いでござる。

雍也第六の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 雍也第六を英訳を見て下され。