論語」カテゴリーアーカイブ

孔子の論語 子張第十九の十 君子、信ぜられて而して後に其の民を労す

孔子の論語の翻訳492回目、子張第十九の十でござる。

漢文
子夏曰、君子信而後勞其民、未信則以爲厲己也、信而後諌、未信則以爲謗己也。

書き下し文
子夏(しか)が曰わく、君子、信ぜられて而(しか)して後に其の民を労す。未(いま)だ信ぜられざれば則(すなわ)ち以て己を厲(や)ましむと為す。信ぜられて而して後に諌(いさ)む。未だ信ぜられざれば則ち以て己を謗(そし)ると為す。

英訳文
Zi Xia said, “A gentleman makes the people trust him before using the people. If the people do not trust him, they think he torments them. A gentleman makes his lord trust him before remonstrating. If his lord does not trust him, the lord think he insults the lord.”

現代語訳
子夏(しか)が言いました、
「人々の手本たるべき君子は、人々を使役する前に彼らの信頼を得る。信頼を得なければ人々は君子によって苦しめさせられると思うだろう。また主君を諌める前に主君からの信頼を得る。信頼を得なければ主君は侮辱されると思うだろう。」

Translated by へいはちろう

子夏(しか:姓は卜、名は商。字は子夏。詳細は雍也第六の十三に。)

まず信頼関係を気づかなければ何事も為す事はできないでござるからな。

子張第十九の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 子張第十九を英訳を見て下され。

孔子の論語 子張第十九の九 君子に三変あり

孔子の論語の翻訳491回目、子張第十九の九でござる。

漢文
子夏曰、君子有三變、望之儼然、即之也温、聽其言也厲 。

書き下し文
子夏(しか)が曰わく、君子に三変あり。これを望めば儼然(げんぜん)たり、これに即(つ)けば温なり、其の言を聴けば厲(はげ)し。

英訳文
Zi Xia said, “A gentleman’s attitude has three aspects. He looks solemnly from a long distance. He looks gently from a short distance. His words are serious.”

現代語訳
子夏(しか)が言いました、
「人の手本たるべき君子には三つの側面がある。遠くから見れば厳然としており、近くから見れば和やかで、言葉には厳粛な響きがある。」

Translated by へいはちろう

子夏(しか:姓は卜、名は商。字は子夏。詳細は雍也第六の十三に。)

子張第十九の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 子張第十九を英訳を見て下され。

孔子の論語 子張第十九の八 小人の過つや、必ず文る

孔子の論語の翻訳490回目、子張第十九の八でござる。

漢文
子夏曰、小人之過也必文。

書き下し文
子夏(しか)が曰わく、小人の過(あやま)つや、必ず文(かざ)る。

英訳文
Zi Xia said, “A worthless man always conceals his errors.”

現代語訳
子夏(しか)が言いました、
「つまらない人間はいつも自分の間違いを誤魔化そうとする。」

Translated by へいはちろう

子夏(しか:姓は卜、名は商。字は子夏。詳細は雍也第六の十三に。)

失敗をした時には中々冷静にはなれなくて、つい隠そうとしてしまうものでござるな。そして大抵すぐバレてしまうのでござる。子供の頃にはありがちな事でござるが、大人になってからだと取り返しがつかなくなる事もあるでござるな。

ただ人生を左右するような、また家族を巻き込むような失敗をした時に果たして冷静な判断ができるかと言えば、拙者には自信が無いでござるよ。

とりあえず交通事故には気をつけましょう。注意一秒怪我一生。

子張第十九の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 子張第十九を英訳を見て下され。

孔子の論語 子張第十九の七 君子、学びて以て其の道を致す

孔子の論語の翻訳489回目、子張第十九の七でござる。

漢文
子夏曰、百工居肆以成其事、君子學以致其道。

書き下し文
子夏(しか)が曰わく、百工(ひゃっこう)、肆(し)に居て以て其の事を成す。君子、学びて以て其の道を致す。

英訳文
Zi Xia said, “Craftsmen work at their studios. Gentlemen accomplish their way by learning.”

現代語訳
子夏(しか)が言いました、
「職人は彼らの仕事場でその仕事を完成させる。人々の手本足るべき君子は学問によってその道を完成させる。」

Translated by へいはちろう

子夏(しか:姓は卜、名は商。字は子夏。詳細は雍也第六の十三に。)

この職人集団から後の墨子と墨家集団が出るのでござるが、子夏の頃には既に対立意識があったのでござろうか。

孔子も子夏の言葉にも、技術軽視的な言葉が多くて一般に君子は細々とした事を習うべきではないという立場なのでござるが。それ故に彼ら職人集団から墨家が誕生したのでござろうな。思想哲学には受け皿となる母体がなければならないでござるからな。

子張第十九の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 子張第十九を英訳を見て下され。

孔子の論語 子張第十九の六 博く学びて篤く志し、切に問いて近く思う、仁其の中に在り

孔子の論語の翻訳488回目、子張第十九の六でござる。

漢文
子夏曰、博學而篤志、切問而近思、仁在其中矣。

書き下し文
子夏(しか)が曰わく、博く学びて篤(あつ)く志し、切(せつ)に問いて近く思う、仁其の中(うち)に在り。

英訳文
Zi Xia said, “If you learn widely, aspire after an ideal eagerly, ask a question seriously and consider the question yours, benevolence is in your heart.”

現代語訳
子夏(しか)が言いました、
「博く学んで熱心に理想を求め、真剣に質問して身近な問題として考える事ができるなら。仁はその心の中にある。」

Translated by へいはちろう

子夏(しか:姓は卜、名は商。字は子夏。詳細は雍也第六の十三に。)

なんとなく子夏は学問的な側面からのみ仁を解釈しているように感じるでござるな。

自己修練としての儒学から大きくはずれてはいないのでござるが、あくまで自分本位で、他者を思いやる気持ちとしての仁とは違うような印象でござる。

子張第十九の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 子張第十九を英訳を見て下され。