論語」カテゴリーアーカイブ

孔子の論語 憲問第十四の二十九 君子は其の言の其の行に過ぐるを恥ず

孔子の論語の翻訳372回目、憲問第十四の二十九でござる。

漢文
子曰、君子恥其言之過其行也。

書き下し文
子曰わく、君子は其の言の其の行に過ぐるを恥ず。

英訳文
Confucius said, “Gentlemen feel shame when their words exceed their acts.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「人格者はその言動がその行動を上回る事を恥じる。」

Translated by へいはちろう

憲問第十四の二十一でも言ったでござるが、日頃から口達者で行動よりも言葉が先にでる拙者としては耳が痛い限りでござる…

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孔子の論語 憲問第十四の二十八 君子は思うこと其の位を出でず

孔子の論語の翻訳371回目、憲問第十四の二十八でござる。

漢文
曾子曰、君子思不出其位。

書き下し文
曾子(そうし)の曰わく、君子は思うこと其の位を出でず。

英訳文
Zeng Zi said, “Gentlemen do not think of matters that are not their duty.”

現代語訳
曾子(そうし)がおっしゃいました、
「人格者たるもの、自分の職分を越える事については考えないものだ。」

Translated by へいはちろう

曾子(Zeng Zi, 姓は曾、名は参、字は子與。詳細は里仁第四の十五に。)

おそらく「自分の責任を果たす事に集中するから、他人のやる事にいちいち首を突っ込んでいる暇などないはず。」という事なのでござろうが、なんとなく官僚の「事なかれ主義」のイメージが思い浮かばれるでござるな。

現在の日本の官僚が「事なかれ主義」なのか、それとも「自分の責務に忠実」なのかなどという野暮な話はテレビにでもまかせておくとして、曾子のおっしゃる事は正論でござるな。

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孔子の論語 憲問第十四の二十七 其の位に在らざれば、其の政を謀らず

孔子の論語の翻訳370回目、憲問第十四の二十七でござる。

漢文
子曰、不在其位、不謀其政。

書き下し文
子曰わく、其の位に在(あ)らざれば、其の政(まつりごと)を謀(はか)らず。

英訳文
Confucius said, “Do not meddle in other people’s affairs.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「他人の仕事に余計な口出しはしない事だ。」

Translated by へいはちろう

泰伯第八の十四に同じ文があるでござる。

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孔子の論語 憲問第十四の二十六 其の過ち寡なからんことを欲して、未だ能わざるなり

孔子の論語の翻訳369回目、憲問第十四の二十六でござる。

漢文
遽伯玉使人於孔子、孔子與之坐而問焉、曰夫子何爲、對曰、夫子欲寡其過而未能也、使者出、子曰、使乎使乎。

書き下し文
遽伯玉(きょはくぎょく)、人を孔子に使いせしむ。孔子これに坐(ざ)を与えて問いて曰わく、夫子(ふうし)何をか為す。対(こた)えて曰わく、夫子は其の過(あやま)ち寡(すく)なからんことを欲して、未(いま)だ能(あた)わざるなり。使者出ず。子曰わく、使いなるかな、使いなるかな。

英訳文
Qu Bo Yu sent a messenger to Confucius. Confucius made him sit and asked, “How is your master?” The messenger replied, “He wants to reduce his errors, but he still cannot do it.” After the messenger went back, Confucius said, “He is a good messenger. He is a good messenger.”

現代語訳
遽伯玉(きょはくぎょく)が孔子に使者をよこしました。
孔子が使者を座らせて、
「あなたの主人は最近いかがですか?」
と尋ねると、使者は、
「あの方は過ちを少なくしたいとなさっておいでですが、達成できずにおります。」
と答えました。使者が帰った後、孔子は、
「立派な使いだ。立派な使いだ。」
とおっしゃいました。

Translated by へいはちろう

遽伯玉(きょはくぎょく:衛の大夫。呉の季札より君子と称されている。孔子が衛に立ち寄った時には、遽伯玉の家に滞在していた。)

孔子は使者を褒めることによって、主人である遽伯玉も同時に褒めているのでござるな。確かに使者の返答はへりくだりつつも主人の顔を立てる心憎い内容でござる。

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孔子の論語 憲問第十四の二十五 古の学者は己の為ににし、今の学者は人の為にす

孔子の論語の翻訳368回目、憲問第十四の二十五でござる。

漢文
子曰、古之學者爲己、今之學者爲人。

書き下し文
子曰わく、古(いにしえ)の学者は己の為にし、今の学者は人の為にす。

英訳文
Confucius said, “The ancient people learned in order to improve themselves. The present people learn in order to succeed.

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「昔の人々は自分を向上させるために学んだ。今の人々は地位と名誉のために学んでいる。」

Translated by へいはちろう

拙者は「学ぶことが快楽だから」、学んでいるのでござるよ。

食事をし、人を愛し、眠る。好奇心はこれら三大欲求に次ぐ人間だけに与えられた本能だと考えている次第。

お腹がすけば食事をする、食後には皿洗いをしなければならないが食事中に後片付けの事は考えない。学んでいる時に、「何のために学んでいるのか」を考えるなどナンセンスでござる。

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