論語」カテゴリーアーカイブ

孔子の論語 学而第一の七 未だ学ばざるといえども学びたりと謂わん

孔子の論語の翻訳7回目、学而第一(第一巻)の七でござる。

漢文
子夏曰、賢賢易色、事父母能竭其力、事君能致其身、與朋友交、言而有信、雖曰未學、吾必謂之學矣。

書き下し文
子夏曰わく、賢を賢として色に易(か)え、父母に事(つか)えて能(よ)く其の力を竭(つく)し、君に事えて能くその身を致(いた)し、朋友(とも)と交わるに言いて信あらば、未だ学ばずと曰うと雖(いえど)も、吾は必ずこれを学びたりと謂(い)わん。

英訳文
Zi Xia said, “If you recognize wise people naturally as you love a beauty, and be faithful to your parents, and devote yourself to your lord, and be honest to your friends, I regard you as a person who learned well even though you don’t begin to learn.”

現代語訳
子夏が言いました、
「もし君が美しい人を愛するように自然に賢い人を認め、真摯に両親に尽くし、主人に対して献身し、友人に対して誠実であったならば、君が学問を始めてすらいなくとも、私は君を良く学んだ人間とみなすでしょう。」

Translated by へいはちろう

今回の言葉も前回に引き続いて学問とは実践が大切だと説いているでござる。「論語読みの論語知らず」という言葉があるように哲学を学んで日々の行いに生かさないのは新鮮な野菜を冷蔵庫で腐らす様なものでござるからな。・・・もちろん自分に言い聞かせているのでござるよ。

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孔子の論語 学而第一の六 行いて余力あれば則ち以て文を学ぶ

 孔子の論語の翻訳6回目、学而第一(第一巻)の六でござる。

漢文
子曰、弟子入則孝、出則弟、謹而信、汎愛衆而親仁、行有餘力、則以學文。

書き下し文
子曰わく、弟子(ていし)、入りては則(すなわ)ち孝、出でては則ち弟、謹(いつくし)みて信あり、汎(ひろ)く衆を愛して仁に親しみ、行いて余力あれば則ち以て文を学ぶ。

英訳文
Confucius said, “Young people, should treat parents with filial respect when they are at home, and should respect elders when they are outside. Furthermore, they should be modest and honest, and should love people without distinction, and should follow gentlemen. If they have energy after doing these all, then they should learn.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました
「若者というのは家では親孝行をして、外では年長者を敬わなければならない。さらに慎み深く誠実でありながら区別なく人々を愛し、人格者と親しく付き合って彼らを手本にしなければならない。それだけのことをした後に余力があったならば、そこで学問を学ぶべきである。」

Translated by へいはちろう

なんと言う模範的な若者、しかし文で読めば実行が難しく思えるこの言葉も平たく言えば学ぶことより日々の行動に重きをおきなさい、ということでござる。

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孔子の論語 学而第一の五 民を使うに時を以ってす

孔子の論語の翻訳5回目、学而第一(第一巻)の五でござる。

漢文
子曰、道千乘之國、敬事而信、節用而愛人、使民以時。

書き下し文
子曰わく、千乗(せんじょう)の国を道びくに、事を敬して信、用を節して人を愛し、民を使うに時を以(も)ってす。

英訳文
Confucius said, “To govern a country, you should get reliance by undertaking enterprises carefully, and should love the people by cutting down expenses, and should consider seasons when you employ the people.”

現代語訳

孔子がおっしゃいました
「国家を統治するには、事業を慎重に行って信頼を得て、経費を節約して人々を愛し、人々を使役するには時節を選ばなければならない。」

Translated by へいはちろう

さて今回の文章は国家統治の原則について述べられているのでござるが、 なにやらどこかで聞いたことのあるような・・・そう、十七条憲法の第十六条に「民を使うに時をもってするは、古の良き典(のり)なり。」と書いてあったでござるな。聖徳太子といえば仏教を篤く信仰していたことが注目されがちでござるが、仏教と儒学が日本に伝来したのはほぼ同時期で、太子のもう一つの功績である官位十二階が儒学の徳目を官位名にしている事から解るように太子は儒学にも影響を受けたのでござる。最も太子が仏教・儒学・律令などの区別をどれ程重要視していたかどうかは不明でござるが。

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孔子の論語 学而第一の四 吾日に三たび吾が身を省みる

孔子の論語の翻訳4回目、学而第一(第一巻)の四でござる。

漢文
曾子曰、吾日三省吾身、爲人謀而忠乎、與朋友交言而不信乎、傳不習乎。

書き下し文
曾子曰わく、吾(われ)日に三たび吾が身を省(かえり)みる。人の為に謀(はか)りて忠ならざるか、朋友(とも)と交わりて信ならざるか、習わざるを伝うるか。

英訳文
Zeng Zi said, “I reflect on myself three times everyday. Did I do my best sincerely for others? Did I associate with friends honestly? Did I tell others things which I barely understand?”

現代語訳
曾子がおっしゃいました、
「私は一日に三度、自分の行いを反省する。他人のために真心をこめて考えてあげられたか?友人と誠実に交際出来ただろうか? よく知りもしない事を他人に教えてはいないか?」

Translated by へいはちろう

さ・・・三番目が耳に痛い!まさにこのブログの事ではないかと思ってしまうでござるな。皆様には論語をきちんと学ぶのならば専門の本またはサイトでお願いしたいでござる。

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孔子の論語 学而第一の三 巧言令色鮮なし仁

 孔子の論語の翻訳三回目、学而第一(第一巻)の三でござる。

漢文
子曰、巧言令色、鮮矣仁。

書き下し文
子曰(い)わく、巧言令色、鮮(すく)なし仁。

英訳文
Confucius said, “People who use compliments and a put-on smile have little virtue.”

現代語訳
先生がおっしゃいました、
「言葉巧みに世辞を言い、愛想笑いの上手い人間に人格者はいないものだ」

Translated by へいはちろう

論語の中でも有名な部類に入る今回のフレーズに対しての感じ方は人それぞれでござろうな、愛想が良すぎるのも悪すぎるのも両方現代社会では受け入れられがたいものでござる。大事なのはまごころだって事でござるな。

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