孔子の論語 学而第一の五 民を使うに時を以ってす

孔子の論語の翻訳5回目、学而第一(第一巻)の五でござる。

漢文
子曰、道千乘之國、敬事而信、節用而愛人、使民以時。

書き下し文
子曰わく、千乗(せんじょう)の国を道びくに、事を敬して信、用を節して人を愛し、民を使うに時を以(も)ってす。

英訳文
Confucius said, “To govern a country, you should get reliance by undertaking enterprises carefully, and should love the people by cutting down expenses, and should consider seasons when you employ the people.”

現代語訳

孔子がおっしゃいました
「国家を統治するには、事業を慎重に行って信頼を得て、経費を節約して人々を愛し、人々を使役するには時節を選ばなければならない。」

Translated by へいはちろう

さて今回の文章は国家統治の原則について述べられているのでござるが、 なにやらどこかで聞いたことのあるような・・・そう、十七条憲法の第十六条に「民を使うに時をもってするは、古の良き典(のり)なり。」と書いてあったでござるな。聖徳太子といえば仏教を篤く信仰していたことが注目されがちでござるが、仏教と儒学が日本に伝来したのはほぼ同時期で、太子のもう一つの功績である官位十二階が儒学の徳目を官位名にしている事から解るように太子は儒学にも影響を受けたのでござる。最も太子が仏教・儒学・律令などの区別をどれ程重要視していたかどうかは不明でござるが。

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