孔子の論語 陽貨第十七の十九 天何をか言うや。四時行なわれ、百物生ず

孔子の論語の翻訳464回目、陽貨第十七の十九でござる。

漢文
子曰、予欲無言、子貢曰、子如不言、則小子何述焉、子曰、天何言哉、四時行焉、百物生焉、天何言哉。

書き下し文
子曰わく、予(わ)れ言うこと無からんと欲す。子貢(しこう)が曰わく、子如(も)し言わずんば、則(すなわ)ち小子(しょうし)何をか述べん。子曰わく、天何をか言うや。四時(しじ)行なわれ、百物(ひゃくぶつ)生ず。天何をか言うや。

英訳文
Confucius said, “I won’t say a word anymore.” Zi Gong asked, “If you say nothing, about what can we discuss?” Confucius replied, “Heaven says nothing. But the four seasons rotate and lives are born. Heaven says nothing.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「私はもう何も言わない事にする。」
すると子貢(しこう)が、
「先生が何もおっしゃらなかったら、これから我々は何について論じれば良いというのですか。」
と言い、孔子は、
「天は何も語らない。しかし四季は巡り、生命は誕生する。天は何も語らない。(言葉以上に我々に語りかける)」
と答えられました。

Translated by へいはちろう

子貢(しこう:姓は端木、名は賜、字は子貢。詳細は公冶長第五の九に。)

言葉を重んじる孔子が言うと説得力があるでござるな。時には言葉以上に沈黙が語る事もあるという事でござろうか。それとも時には孔子以外の事物に目を向けて見ろという教えでござろうか。

相手が子貢というところがまた良いでござるな。

陽貨第十七の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 陽貨第十七を英訳を見て下され。