孔子の論語 陽貨第十七の十八 利口の邦家を覆すを悪む

孔子の論語の翻訳463回目、陽貨第十七の十八でござる。

漢文
子曰、惡紫之奪朱也、惡鄭聲之亂雅樂也、惡利口之覆邦家。

書き下し文
子曰わく、紫の朱を奪うを悪(にく)む。鄭声(ていせい)の雅楽(ががく)を乱るを悪む。利口の邦家(ほうか)を覆すを悪む。

英訳文
Confucius said, “I detest that purple spoils red. I detest that music of Zheng disturbs court music. I detest that glib vassals ruins a country.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「間色の紫が正色の赤を圧倒するのが憎い。鄭の淫らな音楽が宮廷の音楽を乱すのが憎い。口が上手いだけの輩が国をひっくり返すのが憎い。」

Translated by へいはちろう

「坊主憎けれりゃ、袈裟まで憎い。」ではないでござるが。乱れた世を憎むあまりに、色にまで文句を言うとは。

そういえば日本では袈裟の色も冠の色も紫が最上でござるよな。これも実は儒学と五行思想からきていて、漢代以降、五常の徳に仁=青、義=赤、礼=黄、智=白、信=黒をあてて、帝王の色として紫を用いていたからだそうでござる。冠位十二階が紫・青・赤・黄・白・黒の順でござるな。

でも近現代の中国で一般に皇帝の色とされるのは黄色でござるよな。なぜそうなったかは諸説あるそうでござるが、まったく歴史は面白いでござる。

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