孔子の論語 里仁第四の七 過ちを観て斯に仁を知る

 孔子の論語の翻訳73回目、里仁第四の七でござる。

漢文
子曰、人之過也、各於其黨、觀過斯知仁矣。

書き下し文
子曰わく、人の過(あやま)つや、各々(おのおの)其(そ)の党(たぐい)に於(お)いてす。過ちを観て斯(ここ)に仁を知る。

英訳文
Confucius said, “People often make errors at the similar scenes. If we observe his error, we can understand his personality.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「人はよく同じ様な場面で間違いを犯す、その間違いを観察すればその人柄が理解できる。」

Translated by へいはちろう

「わかっちゃいるけどやめられない」という歌が昔あったでござるな、拙者はこの世代じゃないのでござるが植木等さんはかっこいいでござる。

確かに人はいつも何度でも同じ様な間違いを犯すし、その間違いには人間性が色濃く表れるものでござる。しかしこの様な見方で人を観ていると、いつも我と彼の人間性を比べて観る事になり、それが自らを律する糧となっている内は良いのでござるが、驕りになってしまうと非常に危険でござる。

そこで「わかっちゃいるけどやめられない」と開き直ったフリをして笑い飛ばす豪快さ。これは十分に哲学でござる。

江戸時代にも厳しく律する侍階級が居た反面、洒脱で奔放な庶民文化があった様に厳しさと大らかさが両立しない世の中は住みにくいものでござるな。

里仁第四の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの孔子の論語 里仁第四を英訳を見て下され。