ちょんまげ翻訳 和英」カテゴリーアーカイブ

孔子の論語 為政第二の十四 君子は周して比せず、小人は比して周せず

孔子の論語の翻訳30回目、為政第二の十四でござる。

漢文
子曰、君子周而不比、小人比而不周。

書き下し文
子曰わく、君子は周(しゅう)して比せず、小人は比して周せず。

英訳文
Confucius said, “A gentleman keeps company with many people without prejudice. A worthless man keeps company with a few people with prejudice.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「君子(人格者)は訳隔てなく幅広い人々と交際するが、小人(人格者で無い者)は偏った少数の人間と交際する。」

Translated by へいはちろう

今回の文は個人の資質の話なのでござるが、これを集団の性質に変えて考えて見ると中々知的刺激になるでござるよ。ご自分の所属されている集団(学校・職場・友人関係などなんでも)が開放的か排他的か考えた上で「開放的な人間が集まる排他的集団」と「排他的な人間があつまる開放的な集団」と言う一見矛盾したこれらの集団のどちらが良いと思われるでござるか?簡単に答えは出せないでござるが以外とこういう集団は存在してると思うのでござる。

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孔子の論語 為政第二の十三 先ず行う、其の言は而る後に之に従う

 孔子の論語の翻訳29回目、為政第二の十三でござる。

漢文
子貢問君子、子曰、先行其言、而後從之。

書き下し文
子貢君子を問う。子曰わく、先ず行う、其の言(ことば)は而(しか)る後に之(これ)に従(したが)う。

英訳文
Zi Gong asked about a gentleman and Confucius replied, “Act before your words, then you can speak about that.”

現代語訳
子貢が君子(人格者)について問い、孔子はこう答えられました、
「言おうとする事を先ず実行してからものを語ることだ。」

Translated by へいはちろう

「言うは安し、行なうは難し」、これはもちろん拙者自身の事でござる。儒学を教養として学ぶことはそれ自体難しい事で無いのでござるが日々の生活で実行するとなると凡人のよくする所では無いのでござる。なお文中に出てくる 子貢(しこう)は孔子の弟子の中でも特に弁舌に優れていた人物で、外交官(論客)としても功績を残し、魯(孔子の出身国)の宰相(国王に代わり政治を取り纏める大役)も務めた才能豊かな人物でござる。孔子はその才を愛しながらも弁舌が「巧み過ぎる」点を残念に思っていた様で、だからこそこの様に答えたと考えられるでござる。孔子は同じ事を聞かれても「相手に合わせて」答える、理想の師なのでござる。

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孔子の論語 為政第二の十二 君子は器ならず

 孔子の論語の翻訳28回目、為政第二の十二でござる。

漢文
子曰、君子不器。

書き下し文
子曰わく、君子は器(うつわ)ならず。

英訳文
Confucius said, “A gentleman is not a tool which has limited uses.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「君子(人格者)とは用途の限られた器のような物では無い。」

Translated by へいはちろう

簡単に言えば臨機応変に行動できるって事なので、can take measures suited to the occasion、と訳そうかとも考えた結果、やめたでござる。ただ器=vessel or potは道具=toolにしたでござる。

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孔子の論語 為政第二の十一 故きを温めて新しきを知る

 孔子の論語の翻訳27回目、為政第二の十一でござる。

漢文
子曰、温故而知新、可以爲師矣。

書き下し文
子曰わく、故きを温めて新しきを知る、以て師と為るべし。

英訳文
Confucius said, “If you learn from the history and understand the present age, you can become an excellent teacher.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「古き(歴史や伝統や古典)を学んで新しき(現代)を良く理解して、それらを生かす事が出来たならば、優れた師(先生)となる事が出来るだろう。」

Translated by へいはちろう

あまりにも有名すぎる今回の文章、こういった文を翻訳するのは非常に難しいでござるな。そもそも古注(魏の何晏による注釈書)や新注(南宋の朱子による注釈書)の例を出す以前に中国人や日本人にとっても様々な解釈が出来るのが論語でござる。今回「古き」はhistory、「新しき」をpresent ageと対比させて訳したのでござるが、出来ればもっと解釈に幅がでる様に訳したかったでござる。ただ最も避けたい訳は英語圏の方の理解をたすけるために無駄に長く説明的な訳をする事でござる。 「推して知るべし」、自ら考えず論語を理解するなど不可能でござる・・・と随分偉そうになったしまったでござるが、英語訳に対するアドバイスお待ちしているでござる。現代語訳についてのツッコミはどうか御勘弁願いたい。

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孔子の論語 為政第二の十 人焉んぞ捜さんや

 孔子の論語の翻訳26回目、為政第二の十でござる。

漢文
子曰、視其所以、觀其所由、察其所安、人焉捜哉、人焉捜哉。

書き下し文
子曰わく、其の以(な)す所を視、其の由る所を観、其の安んずる所を察すれば、人焉(いずく)んぞ捜(かく)さんや、人焉んぞ捜さんや。

英訳文
Confucius said, “Watch his deeds, See his past, guess his future, and you will understand his personality. How on earth can he conceal his personality?”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「その人の行動を見て、現在に到る過去の経歴を観て、未来の姿を推察すれば、その人の人格を理解する事が出来るだろう。いったいどの様に(その人は)人格を覆い隠す事が出来るだろうか?」

Translated by へいはちろう

今回の文は孔子の人物観察法でござる。シンプルであまりコメントのしようが無いでござるな。しかし人物を見る側に偏見や知識不足があればどんな方法で人を見ても間違った結論が出るものでござる。

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