孔子の論語 憲問第十四の三十四 敢て佞を為すに非ざるなり、固を疾めばなり

孔子の論語の翻訳377回目、憲問第十四の三十四でござる。

漢文
微生畝謂孔子曰、丘何爲是栖栖者與、無乃爲佞乎、孔子對曰、非敢爲佞也、疾固也。

書き下し文
微生畝(びせいほ)、孔子に謂(い)いて曰わく、丘(きゅう)、何爲(なんす)れぞ是(これ)栖栖(せいせい)たり者ぞ。乃(すなわ)ち佞(ねい)を為すこと無からんや。孔子対(こた)えて曰わく、敢(あえ)て佞を為すに非(あら)ざるなり。固(こ)を疾(にく)めばなり。

英訳文
Wei Sheng Mu said to Confucius, “Why are you so busy? Are you trying to fawn on the people?” Confucius replied, “I’m not fawning on the people. Because I hate to be stubborn.”

現代語訳
微生畝(びせいほ)が孔子に言いました、
「お前さんはどうしてそんなに忙しそうにしてるのかね? 世間に媚びようとはしていないか?」
孔子は、
「世間に媚びたりはしていません。頑固で独りよがりになるのが嫌なのです。」
と答えられました。

Translated by へいはちろう

微生畝(びせいほ:当時の隠者。)

孔子の死後、春秋戦国にかけて儒学者たちと老荘思想家や墨家やその他の思想家たちはお互いを批判しながら百家争鳴の様相となるのでござるが、論語内に隠者が出てくるのはその前兆なのでござろう。老子でも儒者に対する批判は少ししか無いでござるな。

これが孟子や荘子、墨子になると良く言えば活発な批判合戦が繰り返されており、悪く言えば少し食傷気味なのでござるが、論語を読んだらこれらの書物も同時に読む事をお勧めするでござる。

荀子と韓非子も是非読んだ方が良いでござるな。

憲問第十四の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 憲問第十四を英訳を見て下され。