孔子の論語 子路第十三の五 多しと雖も亦奚を以て為さん

孔子の論語の翻訳318回目、子路第十三の五でござる。

漢文
子曰、誦詩三百、授之以政不達、使於四方不能専對、雖多亦奚以爲。

書き下し文
子曰わく、詩三百を誦(しょう)し、これに授くるに政(まつりごと)を以(もっ)てして達せず、四方に使いして専(ひと)り対(こた)うること能(あた)わざれば、多しと雖(いえど)も亦(また)奚(なに)を以て為さん。

英訳文
Confucius said, “It is useless to learn poems, if you cannot manage your official duty and diplomatic negotiations even if you can learn three hundred poems by heart.”

現代語訳
孔子がおっしゃました、
「たとえ300以上の詩を暗誦できたとしても、政務をこなせず外交交渉もまとめる事ができないようであれば、学んだ詩文に何の意味があるだろうか。」

Translated by へいはちろう

いやいやあなたは実務能力があるかどうかはともかく、まったく政務に携わろうとしなかった顔回を弟子の中でもっとも高く評価していたではないですか。というツッコミを思わずいれたくなってしまう拙者は、どうしようもないあまのじゃくでござるな。

孔子のおっしゃりたかったことは詩文の中にある教訓を学びとって生かす事が大切だ、ということでござる。そして他の弟子達とは違って、顔回はさらに大切な事をおそらく肌身で感じるタイプの人間だったと拙者は解釈している次第。

子路第十三の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 子路第十三を英訳を見て下され。