孔子の論語 雍也第六の十一 賢なるかな回や

孔子の論語の翻訳131回目、雍也第六の十一でござる。

漢文
子曰、賢哉囘也、一箪食、一瓢飮、在陋巷、人不堪其憂、囘也不改其樂、賢哉囘也。

書き下し文
子曰わく、賢なるかな回や。一箪(いったん)の食(し)、一瓢(びょう)の飲、陋巷(ろうこう)に在(あ)り。人は其の憂(うれ)いに堪(た)えず、回や其の楽しみを改めず。賢なるかな回や。

英訳文
Confucius said, “Yan Hui is virtuous. He eats only a bowl of rice and soup and lives in a miserable shack. Ordinary people cannot stand it. On the contrary, he enjoys his life. How virtuous Yan Hui is!”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「顔回は偉いなぁ。一杯のご飯と一杯の汁だけで腹を満たし、あばら家に住んでいる。普通の人間ならば堪えられないだろうが、彼はむしろ楽しそうにしている。なんと偉いのだ顔回は。」

Translated by へいはちろう

顔回(がんかい:姓は顔、名は回、字は子淵。孔門十哲の一人。詳細は公冶長第五の九に。)

結局顔回はその粗末な暮らしのせいで若くして病で亡くなるのでござるが、顔回が長生きしていたら儒学はどうなっていたでござろうか。

歴史のifを考え出すとキリがなくなるのでござるが、しみじみと考えてしまうでござるな。

雍也第六の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 雍也第六を英訳を見て下され。