孔子の論語 雍也第六の十二 力足らざる者は中道にして癈す

孔子の論語の翻訳132回目、雍也第六の十二でござる。

漢文
冉求曰、非不説子之道、力不足也、子曰、力不足者、中道而癈、今女畫。

書き下し文
冉求(ぜんきゅう)曰わく、子の道を説(よろこ)ばざるに非(あら)ず。力足らざればなり。子曰わく、力足らざる者は中道(ちゅうどう)にして癈(はい)す。今女(なんじ)は画(かぎ)れり。

英訳文
Ran Qiu said, “I admire master’s doctrine. But it’s too difficult to accomplish for us.” Confucius replied, “If you didn’t have enough strength, you would give up at the middle of the way. But you haven’t begun it at all.”

現代語訳
冉求(ぜんきゅう)が言いました、
「先生の教えを認めない訳ではありませんが、我ら凡人には難しすぎるのです。」
孔子はこう答えられました、
「もしお前の能力が足りないというのであれば、お前はその道の半ばで力尽きるはずだ。しかしお前はまだ始めてすらいない。」

Translated by へいはちろう

冉求(ぜんきゅう:姓は冉、名は求、字は子有。詳細は八佾第三の六に。)

なんという正論、確かにどんな物事でも成し遂げたいと考えるならば、まずは挑戦してみる事でござる。

しかし反論しようの無い正論というやつ程、人を傷つけるものは無いのもまた事実。孔子には弟子の心情を理解し思いやる気持ちがあったからこそ、この様におっしゃった訳で、同じ凡人である我らが賢しげに他人に言って良い言葉ではござらんな。

雍也第六の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 雍也第六を英訳を見て下され。