ちょんまげ翻訳 和英」カテゴリーアーカイブ

孔子の論語 泰伯第八の十八 巍巍たるかな、舜禹の天下を有てるや

孔子の論語の翻訳205回目、泰伯第八の十八でござる。

漢文
子曰、巍巍乎、舜禹之有天下也、而不與焉。

書き下し文
子曰わく、巍巍(ぎぎ)たるかな、舜禹(しゅん・う)の天下を有(たも)てるや。而(しか)して与(あずか)らず。

英訳文
Confucius said, “How majestic sovereigns emperor Shun and emperor Yu were! They left government to capable vassals even though they were the greatest men of power.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「舜(しゅん)と禹(う)は何と荘厳として偉大な統治者であったことだろう!天下を望むままに出来る権力を持ちながら有能な部下に仕事をまかせたのだから。」

Translated by へいはちろう

舜・禹(しゅん・う:中国の伝説上の聖帝、詳細は八佾第三の二十五に。)

孔子はこの様に君主が有能な部下に仕事を任せて、功績によっては国権と位を委譲するという禅譲(ぜんじょう)を善しとしたのでござるが、春秋戦国時代にはそれを真に受けて実行し、ついに国を家臣に奪われた諸侯もいたのでござる。

彼らは聖帝と呼ばれる舜にならって名誉欲にかられて名君として歴史に名を残したつもりであったかも知れないでござるが、史記をはじめ後世の歴史家の彼らへの評価は「無能なお人よし」という辛辣なものでござる。

拙者もまったく同意見でござる。

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孔子の論語 泰伯第八の十七 学は及ばざるが如くするも、猶おこれを失わんことを恐る

孔子の論語の翻訳204回目、泰伯第八の十七でござる。

漢文
子曰、學如不及、猶恐失之。

書き下し文
子曰わく、学は及ばざるが如くするも、猶(な)おこれを失わんことを恐る。

英訳文
Confucius said, “Your should continue to pursue study till the end. But at the same time, you should be afraid of losing scholarship that you learned.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「学問というものは追い求めても追いきれずに学び続けなければならないものであり、しかし同時にそれまでに得た学識が失われてしまわないように注意しなければならないものでもある。」

Translated by へいはちろう

拙者の理想は老いても学び続けて精進し、老いも境地に達しようという時には学び得た事を全て忘れ去って幽玄へ至る事でござる。その前に事故や病気に合わないように注意せねばならないでござるな。

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孔子の論語 泰伯第八の十六 悾悾にして信ならずんば、吾これを知らず

孔子の論語の翻訳203回目、泰伯第八の十六でござる。

漢文
子曰、狂而不直、侗而不愿、悾悾而不信、吾不知之矣。

書き下し文
子曰わく、狂にして直ならず、侗(とう)にして愿(げん)ならず、悾悾(こうこう)にして信ならずんば、吾これを知らず。

英訳文
Confucius said, “If a person is idealistic but not single-minded, naive but not serious or simple-minded but not honest, I cannot teach him.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「理想家でありながら移り気でコロコロと主張が変わり、無邪気でありながら真面目なところがなく、素朴な心を持っているのに誠実ではない、そんな人間は私にはどうしようもない。」

Translated by へいはちろう

こういう人物は周囲の人々を振り回しそうでござるな。みんなに迷惑をかけながら本人にはまったく悪気がない、悪気がないので反省もしない、そんな光景が目に浮かぶようでござる。

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孔子の論語 泰伯第八の十五 師摯の始め、関雎の乱りは、洋洋乎として耳にてるかな

孔子の論語の翻訳202回目、泰伯第八の十五でござる。

漢文
子曰、師摯之始、關雎之亂、洋洋乎盈耳哉。

書き下し文
子曰わく、師摯(しし)の始め、関雎(かんしょ)の乱(おわ)りは、洋洋乎(ようようこ)として耳に盈(み)てるかな。

英訳文
Confucius said, “The tune of Guan Sui, from the beginning to the end, fills my ears with a beautiful and peaceful melody.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「楽師長の歌い始めから関雎(かんしょ)の曲の終わりまでは、のんびりと美しい旋律が私の耳の中に溢れてくる様だ。」

Translated by へいはちろう

孔子は八佾第三の二十でも関雎の詩を褒めているでござるな、詩を読みたい御仁はそちらをご覧になってくだされ。

曲の方は残念ながら孔子の時代のものは残っておらず、唐や明の時代に創られたものが残っているのみでござる。

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孔子の論語 泰伯第八の十四 其の位に在らざれば、其の政を謀らず

孔子の論語の翻訳201回目、泰伯第八の十四でござる。

漢文
子曰、不在其位、不謀其政也。

書き下し文
子曰わく、其の位に在らざれば、其の政(まつりごと)を謀(はか)らず。

英訳文
Confucius said, “Do not meddle in other people’s affairs.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「他人の仕事に余計な口出しはしない事だ。」

Translated by へいはちろう

他人のする事にいちいち口を出す人間が嫌われるのは世界共通でござるな。

言ってる本人は親切のつもりでも相手には相手にしか解らない事情があったりするので、相手が求めていない時には相手にまかせておいた方が良いでござる。

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