孔子の論語 公冶長第五の二十一 其の愚は及ぶべからざるなり

孔子の論語の翻訳113回目、公冶長第五の二十一でござる。

漢文
子曰、甯武子、邦有道則知、邦無道則愚、其知可及也、其愚不可及也。

書き下し文
子の曰わく、甯武子(ねいぶし)邦(くに)に道あるときは則(すなわ)ち知なり。、邦に道なければ則ち愚。其の知は及ぶべきなり、其の愚は及ぶべからざるなり。

英訳文
Confucius said, “Ning Wu Zi acted smart when the country was in order. And he acted quite honestly as if he were a fool when the country was in disorder. We can be as wise as him. But we cannot be as honest as him.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「甯武子(ねいぶし)は国家が治まっている時には利口に立ち回り、国が乱れている時には馬鹿正直に振舞った。彼の様に利口に立ち回るのは容易だが、馬鹿正直な振る舞いを真似るのは容易では無い。」

Translated by へいはちろう

甯武子(ねいぶし:姓は甯、名は兪、武は諡(おくりな)。衛の臣。忠義の士)

「国家が乱れている時にこそ愚直であるべきだ。」という事でござるな、なんだか西郷隆盛公を彷彿とさせる文章でござる。

公冶長第五の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの孔子の論語 公冶長第五を英訳を見て下され。