孔子の論語 子張第十九の四 小道と雖も必ず観るべき者あり、遠きを致さんには泥まんことを恐る

孔子の論語の翻訳486回目、子張第十九の四でござる。

漢文
子夏曰、雖小道必有可觀者焉、致遠恐泥、是以君子不爲也。

書き下し文
子夏(しか)が曰わく、小道と雖(いえど)も必ず観るべき者あり。遠きを致さんには泥(なず)まんことを恐る、是(ここ)を以て君子は為(な)さざるなり。

英訳文
Zi Xia said, “Even byways have great view. But if you walk long way, you will get muddy. So a gentleman never walks byways.”

現代語訳
子夏(しか)が言いました、
「小道を歩いても素晴らしい景色に出会う事もあるだろう。しかし遠い道のりを歩こうとすれば泥まみれになってしまう。だから人々の手本たるべき君子は、とるにたらぬ余計な事を学ばず、君子としての道のみを学ぶのだ。」

Translated by へいはちろう

子夏(しか:姓は卜、名は商。字は子夏。詳細は雍也第六の十三に。)

拙者の好きな老子の言葉に、

大道は甚だ夷らかなれども、民は径を好む – 老子 第五十三章

というのがあるのでござるが、似ているようでまったく違う言葉でござるな。

子張第十九の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 子張第十九を英訳を見て下され。