孔子の論語 陽貨第十七の十五 鄙夫は与に君に事うべけんや

孔子の論語の翻訳460回目、陽貨第十七の十五でござる。

漢文
子曰、鄙夫可與事君也與哉、其未得之也、患得之、既得之、患失之、苟患失之、無所不至矣。

書き下し文
子曰わく、鄙夫(ひふ)は与(とも)に君に事(つか)うべけんや。其の未だこれを得ざれば、これを得んことを患(うれ)え、既にこれを得れば、これを失なわんことを患う。苟(いやしく)もこれを失なわんことを患うれば、至らざる所なし。

英訳文
Confucius said, “With a worthless man, you cannot serve your lord. He desires things which he has not got. After he got them, he is afraid of losing them. He does everything evil to protect them.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「心の卑しい人間と一緒に君主に仕えるものではないね。まだ得ぬ物を得ようとするし、それらを得たなら失うまいとする。そのためにはどんな事でもするのだから。」

Translated by へいはちろう

確かに何か理想を目指してがんばってる時に、一人自分の事だけを考える人がいたら迷惑この上ないでござるな。

しかしこういう人間はどこにでもいるものだし、こういう徳の少ない人間を切り捨てていって、それで本当に人の上に立つ人間になれるのでござろうか?むしろこういう人物をよく導いてこそ君子と呼べるのではないでござろうか。

漢の高祖劉邦に仕えた陳平みたいな人物もいることでござるしな。孔子は絶対認めないでござろうが。

陽貨第十七の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 陽貨第十七を英訳を見て下され。