孔子の論語 子罕第九の三十二 未だこれを思わざるなり、夫れ何の遠きことかこれ有らん

孔子の論語の翻訳240回目、子罕第九の三十二でござる。

漢文
唐棣之華、偏其反而、豈不爾思、室是遠而、子曰、未之思也、夫何遠之有哉。

書き下し文
唐棣(とうてい)の華(はな)、偏(へん)として其(そ)れ反(はん)せり。豈(あ)に爾(なんじ)を思わざらんや、室(しつ)是(これ)遠ければなり。子曰わく、未(いま)だこれを思わざるなり。夫(そ)れ何の遠きことかこれ有らん。

英訳文
“Petals are fluttering in the garden. I miss you so much. But your house is too far to go.” Confucius talked about this poem, “The man does not miss her much. If he missed her that much, he would go to anywhere.”

現代語訳
”庭桜(にわざくら)の花がひらひらと舞っている。君の事を恋しく思わないわけではないが、家路が少し遠いのだ。”
孔子がこの詩についておっしゃいました、
「この男はそれほど恋人を思っていないな。もし言うほど恋しく思っていれば、距離なんて問題にもならぬはずだ。」

Translated by へいはちろう

八佾第三の二十でも孔子は恋の詩を批評しているのでござるが、孔子は意外と男女の恋愛の詩が好きだったのかも知れないでござるな。

今回で子罕第九は終了し、明日からは郷党第十でござる。

子罕第九の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 子罕第九を英訳を見て下され。