孔子の論語 述而第七の八 憤せずんば啓せず、非せずんば発せず

孔子の論語の翻訳158回目、述而第七の八でござる。

漢文
子曰、不憤不啓、不悱不發、擧一隅而示之、不以三隅反、則吾不復也。

書き下し文

子曰わく、憤(ふん)せずんば啓せず。非(ひ)せずんば発せず。一隅を挙げてこれに示し、三隅を以て反えらざれば、則ち復たせざるなり。

英訳文
Confucius said, “I don’t direct a person who doesn’t struggle to learn. I don’t give a hint to a person who doesn’t struggle to express his thought. I don’t teach again, a person who doesn’t reply a three times answer or question when I teach one.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「自分で悩み、考えない者には指導しない。自分の考えをなんと言ったら良いか解らないというくらいでなければヒントは与えない。一を教えたら三倍の答えや疑問を返してくるのでなければ二度と教えない。」

Translated by へいはちろう

自分で調べず、考えもしないですぐ他人に聞く御仁は確かにおられるでござるな。小さい子供ならともかく大人になってもこうでは確かに困り者でござる。思えば教師の方々は仕事とはいえよく我慢をしておられる。逆に言えば真剣な質問によく考えずに返答するのも固く戒めなければならないでござるな。

結局知識や学問というのは自分の頭で咀嚼しなければ身につくはずもなく、その過程で再発見をしたりするのが醍醐味と言っても良いくらいでござる。

要するにモチベーション・目的意識・義務感・好奇心、なんでも良いのでござるが、それらの強い動機を維持する事こそが大切だという事でござる。ちなみにこのブログ自体が拙者のモチベーション維持のために書かれているのでござるが、内容が英語学習よりも歴史や哲学に偏っているのは拙者の趣味でござる。

述而第七の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 述而第七を英訳を見て下され。