孔子の論語の翻訳120回目、公冶長第五の二十八でござる。
漢文
子曰、十室十邑、必有忠信如丘者焉、不如丘之好學也。
書き下し文
子曰わく、十室の邑(ゆう)、必ず忠信(ちゅうしん)、丘(きゅう)が如(ごと)き者あらん。丘の学を好むに如(し)かざるなり。
英訳文
Confucius said, “I think there is a person as faithful as me, even in a small village of ten households. But there must not be a person who likes learning as much as me.”
現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「たとえ10軒しか無い村の中にも私くらい忠実な人物がいるだろう。しかし私くらい学問を好む人間はそうはいない。」
Translated by へいはちろう
孔子をして言わしめる、という感じでござるな。
「小賢しい知識など捨ててしまえ」、と文明を否定的に捉えた老子とは大違いでござる。老子はどちらかというと、そのどこにでもいるであろう人々の真心と素直さをありのまま大切にする事を主張して、孔子は真心を形として表現する手段を学ぶ事によって社会全体を良くして行こうとしたのでござる。
これはもうどちらが正しいと言えるものでは無く、人それぞれの人生において判断する事でござるな。
さて今回で公冶長第五は終了し、明日からは雍也第六でござる。
公冶長第五の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの孔子の論語 公冶長第五を英訳を見て下され。