孔子の論語 郷党第十の十五 君に侍食するに、君祭れば先ず飯す

孔子の論語の翻訳255回目、郷党第十の十五でござる。

漢文
侍食於君、君祭先飯。

書き下し文
君に侍食(じしょく)するに、君祭れば先(ま)ず飯(はん)す。

英訳文
When Confucius ate dinner with his lord, he tasted food for poison while his lord was offering a short prayer.

現代語訳
主君と晩餐を取る時には、主君が初穂のお供えを祭ってる間に毒見をされました。

Translated by へいはちろう

礼記の曲礼・下篇には「君有疾飮薬,臣先嘗之.親有疾飮薬,子先嘗之.医不三世不服其薬」(主君が病で薬を飲む時には家臣が先に毒見するべし、親が病で薬を飲む時には子が先に毒見するべし、三代以上続いた医者の薬でなければ飲まない。)と記載されているでござる。

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孔子の論語 郷党第十の十四 君、食を賜えば、必ず席を正して先ずこれを嘗む

孔子の論語の翻訳254回目、郷党第十の十四でござる。

漢文
君賜食、必正席先嘗之、君賜腥、必熟而薦之、君賜生、必畜之。

書き下し文
君、食(しょく)を賜えば、必ず席を正して先ずこれを嘗(な)む。君、腥(なまぐさ)きを賜えば、必ず熟してこれを薦(すす)む。君、生(い)けるを賜えば、必ずこれを畜(か)う。

英訳文
When the lord gave Confucius food, he always straightened his seat and tasted it. If the food was raw meat, he always cook it and offered it to his ancestors. When the lord gave him livestock, he always kept them.

現代語訳
主君から食べ物を賜った時には、孔子は必ず席を正して少し試食をして受け取った。もしその食べ物が生肉だったなら、火を通した後で先祖への捧げ物とした。主君から家畜を賜った時には、必ずそれらを飼育した。

Translated by へいはちろう

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孔子の論語 郷党第十の十三 厩焚けたり

孔子の論語の翻訳253回目、郷党第十の十三でござる。

漢文
厩焚、子退朝曰、傷人乎、不問馬。

書き下し文
厩(うまや)焚(や)けたり、子、朝(ちょう)より退(しりぞ)きて曰わく、人を傷(そこな)えりや。馬を問わず。

英訳文
A stable was burned in a fire. Confucius came from the Court and asked, “Is everybody all right?” He did not ask about horses.

現代語訳
馬小屋が火事でやけた。すると孔子が宮廷からやってきてお尋ねになりました、
「怪我人はいないか?」
馬の事には触れませんでした。

Translated by へいはちろう

孔子の素直な優しさがにじみでてる文でござるな。

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孔子の論語 郷党第十の十二 康子、薬を饋る

孔子の論語の翻訳252回目、郷党第十の十二でござる。

漢文
康子饋藥、拜而受之、曰、丘未達、不敢嘗。

書き下し文
康子(こうし)、薬を饋(おく)る。拝(はい)してこれを受(う)く、曰わく、丘(きゅう)未(いま)だ達せず、敢(あえ)て嘗(な)めず。

英訳文
Ji Kang Zi sent Confucius some medicine. Confucius received them politely and said to the messenger, “I have no idea about this medicine. So I dare not take it now.”

現代語訳
康子(こうし)が病気見舞いとして孔子に薬を贈った。孔子は丁重に受け取り使者に対しておっしゃいました、
「私はこの薬について何も知りませんので、今は口にするのを控えたいと思います。」

Translated by へいはちろう

康子(こうし:魯の宰相、姓は季孫、名は肥、康子は諡(おくりな)。魯の実質的支配者である三桓氏の筆頭。)

今回の文は食べ物などをもらった場合はその場で試食して受け取るのが礼儀とされていたのでござるが、薬だったので慎重に対応したと解釈されているでござる。

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孔子の論語 郷党第十の十一 人を他邦に問えば、再拝してこれを送る

孔子の論語の翻訳251回目、郷党第十の十一でござる。

漢文
問人於他邦、再拜而送之。

書き下し文
人を他邦(たほう)に問えば、再拝(さいはい)してこれを送る。

英訳文
A gentleman should bow repeatedly to his messenger when he send off a messenger to his friend in another country.

現代語訳
他国にいる友人に使者を出すときは、使者に対して再拝(繰り返し礼をする事)して送り出すべきである。

Translated by へいはちろう

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