孔子の論語 衛霊公第十五の九 志士仁人は、生を求めて以て仁を害すること無し

孔子の論語の翻訳398回目、衛霊公第十五の九でござる。

漢文
子曰、志士仁人、無求生以害仁、有殺身以成仁。

書き下し文
子曰わく、志士(しし)仁人(じんじん)は、生を求めて以(もっ)て仁を害すること無し。身を殺して以て仁を成すこと有り。

英訳文
Confucius said, “A person with high aspirations and a benevolent person never deviate from benevolence for their life. They would rather kill themselves to accomplish benevolence.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「志のある人物や仁者は我が身惜しさに仁の道にはずれるような事はしない。むしろ命をなげうって仁を達成する事もある。」

Translated by へいはちろう

孔子のお考えはともかくとして、本人は自覚していないでござろうが、こういう言葉を「自分の命を犠牲にすれば何をしても良い」と勘違いする御仁も歴史上にも現代にも後を絶たなくて困りものでござるな。

人々や正義のために命を捨てる行為はそれは称賛される場合もあるでござろうが、命をかける行為がすべて正当化される訳ではないのでござる。むしろ死んだ後では批判に対して反論すらできなくなるので、哀れといえば哀れでござるな。

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