孔子の論語 憲問第十四の三十三 抑々亦先ず覚る者は、是賢か

孔子の論語の翻訳376回目、憲問第十四の三十三でござる。

漢文
子曰、不逆詐、不億不信、抑亦先覺者、是賢乎。

書き下し文
子曰わく、詐(いつわ)りを逆(むか)えず、信ぜられざるを億(おもんばか)らず、抑々(そもそも)亦(また)先(ま)ず覚る者は、是(これ)賢か。

英訳文
Confucius said, “This person must be wise. If he can perceive many things even though he does not doubt others and he is not concerned about being doubted by others.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「人を疑って身構えたりせず、人から信じてもらえない事に不安を覚えずにいながら、様々な事を察する事ができる人物は、賢者といえるだろう。」

Translated by へいはちろう

そもそもこの様な心配を抱くのは、他人や自分という者に過度の期待を抱くからでござるな。

もちろん嘘というのは良くない事だし、どんな倫理道徳も嘘を肯定などはしていないのでござるが、そのために他人に不信感を抱いたり疑心暗鬼に陥ってしまっては本末転倒でござる。

憲問第十四の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 憲問第十四を英訳を見て下され。