孔子の論語 微子第十八の二 道を直くして人に事うれば、 焉くに往くとして三たび黜けられざらん

孔子の論語の翻訳473回目、微子第十八の二でござる。

漢文
柳下惠爲士師、三黜、人曰、子未可以去乎、曰、直道而事人、焉徃而不三黜、枉道而事人、何必去父母之邦。

書き下し文
柳下恵(りゅうかけい)、士師(しし)と為(な)り、三たび黜(しりぞ)けらる。人の曰わく、子未だ以て去るべからざるか。曰わく、道を直くして人に事(つか)うれば、 焉(いず)くに往くとして三たび黜けられざらん。道を枉(ま)げて人に事うれば、何ぞ必ずしも父母の邦(くに)を去らん。

英訳文
Liu Xia Hui became the chief judicial officer. But he was dismissed three times. Someone asked, “Why don’t you leave this country?” Liu Xia Hui replied, “If a person serves a country honestly, he may be dismissed three times in every country. If I did not serve honestly, I have no reason to leave my home country.”

現代語訳
柳下恵(りゅうかけい)が司法長官となった時、三回も罷免された。
ある人が、
「どうして三回も罷免されたのに、この国を去らないのですか?」
と尋ねると、柳下恵は、
「真っ正直に仕えれば、どこの国でも三回くらいは罷免されて当然です。不正直に仕えるくらいなら、生まれ故郷の国を見捨てる必要もまたありません。」
と答えました。

Translated by へいはちろう

柳下恵(りゅうかけい:魯の臣。姓は展、名は禽、字は季、柳下は号、恵は諡号。詳細は衛霊公第十五の十四に。)

正直に仕えたからこそ、上役に嫌われて罷免されたのだという事でござるな。正直に仕えて罷免されるのは恥では無い、むしろ不正直に使える事が恥なのだと言ってるのでござろう。

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