孔子の論語 八佾第三の四 礼は其の奢らんよりは寧ろ倹せよ

 孔子の論語の翻訳44回目、八佾第三の四でござる。

漢文
林放問禮之本、子曰、大哉問、禮與其奢也寧儉、喪與其易也寧戚。

書き下し文
林放(りんぽう)、礼の本(もと)を問う。子曰わく、大なるかな問うこと。礼は其の奢らんよりは寧(むし)ろ倹(けん)せよ。喪は其の易(そなわ)らんよりは寧ろ戚(いた)めよ。

英訳文
Lin Fang asked about a basis of courtesy and Confucius replied, “Good question. In ceremonies, it is better to be frugal than to be luxurious. In funerals, it is better to mourn heartily than to save appearances.”

現代語訳
林放が礼の基本について尋ね、孔子はこう答えられました、
「良い質問だ。儀式においては華美にするより慎ましくした方が良い。葬式などにおいては体裁を整えるよりも心から悼む方が良い。」

Translated by へいはちろう

まったくもって孔子のおっしゃる通りなのでござるが、残念ながら様式を重んじる儒学の思想とは矛盾しているでござるな。孔子は常に真心が大事と説きつつも、それを表す手段としての礼法に事細かな注文をつけたため、後世の人々は様式を守るのに精一杯になってしまったのでござる。真に心を込めても、礼法に違えば「真心が無い」と批判されるとしたら凡人にはよくせぬところでござる。この様な事は儒学に限らず現代日本でもしばしばある事でござるが、これを避ける唯一の方法は・・・「日ごろの行い」でござるかな。

八佾第三の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの孔子の論語 八佾第三を英訳を見て下され。