孔子の論語 先進第十一の十四 旧貫に仍らば、これを如何

孔子の論語の翻訳277回目、先進第十一の十四でござる。

漢文
魯人爲長府、閔子騫曰、仍舊貫如之何、何必改作、子曰、夫人不言、言必有中。

書き下し文
魯人(ろひと)、長府(ちょうふ)を為(つ)くる。閔子騫(びんしけん)が曰わく、旧貫(きゅうかん)に仍(よ)らば、これを如何(いかん)、何(なん)ぞ必ずしも改(あらた)め作らん。子曰わく、夫(か)の人は言わず。言えば必ず中(あた)ること有り。

英訳文
Some people of Lu wanted to rebuild the treasury. Min Zi Jian said, “The customary style is good enough. Why do we need to rebuild it in the new style?” Confucius said, “He seldom speaks. But his word is always to the point.”

現代語訳
魯の人々が国の倉庫を改築しようとした。
閔子騫(びんしけん)が、
「昔ながらの様式で建てましょう。どうしてわざわざ新しい様式で建てる必要があるでしょうか。」
と言いました。これを聞いた孔子が、
「彼はめったに話さないが、彼の言葉はいつも的を射ている。」
とおっしゃいました。

Translated by へいはちろう

閔子騫(びんしけん:姓は閔、名は損、字は子騫。詳細は雍也第六の九に。)

儒学者らしい考え方でござるな、確かになんでもかんでも新しくすれば良いというものではないのでござるが、現場も知らず建築の知識も無いのに余計な口をはさんでしまうところが晏子や墨子などが儒者を嫌った理由でござろう。とくに墨子は技術者でもあるので、儒者の態度は我慢がならなかったでござろうな。

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