孔子の論語 泰伯第八の六 大節に臨んで奪うべからず

孔子の論語の翻訳193回目、泰伯第八の六でござる。

漢文
曾子曰、可以託六尺之孤、可以寄百里之命、臨大節而不可奪也、君子人與、君子人也。

書き下し文
曾子(そうし)曰わく、以て六尺(りくしゃく)の孤(こ)を託(たく)すべく、以て百里(ひゃくり)の命(めい)を寄(よ)すべく、大節(たいせつ)に臨(のぞ)んで奪(うば)うべからず。君子人(くんしじん)か、君子人なり。

英訳文
Zeng Zi said, “A person, to whom infant successor’s care can be left, to whom country affairs can be left, who is never discouraged when he is faced to an important matter. Can we call him a gentleman? Yes, indeed.”

現代語訳
曾子(そうし)がおっしゃいました、
「幼君の世話を任せることができ、国家の大命を任せることができ、大事に臨んでいささかもひるむところが無い。そんな人物は人格者と呼べるだろうか、まさに人格者である。」

Translated by へいはちろう

曾子(Zeng Zi, 姓は曾、名は参、字は子與。詳細は里仁第四の十五に。)

なんとなく武士道に通じるところもあり、お侍たちが好みそうな文章でござるな。

しかし一個人の能力や人格に国家万民の運命が左右されてしまう政治制度の方がどうかと思う次第。

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