孔子の論語 為政第二の二十四 義を見て為ざるは勇なきなり

 孔子の論語の翻訳40回目、為政第二の二十四でござる。

漢文
子曰、非其鬼而祭之、諂也、見義不爲、無勇也。

書き下し文
子曰わく、其の鬼(き)に非ずしてこれを祭るは、諂(へつら)いなり、義を見て為(せ)ざるは勇なきなり。

英訳文
Confucius said, “It is flattery to hold memorial services for others’ ancestors. It is coward not to do at the time to do right.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「自分の先祖でも無いのに祭るのは媚諂う事だ、正義を行うべき時に行動しないのは臆病者だ。」

前半はともかく後半は有名でござるな、「義を見て為ざるは勇なきなり」、まさに然りでござる。別段大きな事をする必要は無く、例えば道端にゴミなどが落ちているのを見つけて人の心の荒みようを嘆くのならば、何も考えずに拾った方が気持ちがスッキリするものでござる。別に拾わなくとも臆病と言う事ではないのでござるが、これも小さな勇気のひとつでござる。

前半を解説すると御利益を求めて必要も無い祭礼を行うのは利己的行為だと批判しているのでござる。ちなみに儒教では普通に孔子を孔子廟に「祀って」いるので、この場合先祖供養の「祭る」でござるな。

と言う訳で為政第二は今日でお終いでござる、明日からは八佾第三を翻訳するでござるよ。

為政第二の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの孔子の論語 為政第二を英訳を見て下され。