月別アーカイブ: 2009年3月

孔子の論語 衛霊公第十五の四十 道同じからざれば、相い為めに謀らず

孔子の論語の翻訳429回目、衛霊公第十五の四十でござる。

漢文
子曰、道不同、不相爲謀。

書き下し文
子曰わく、道同じからざれば、相(あい)為(ため)に謀(はか)らず。

英訳文
Confucius said, “You should not consult with a person that doesn’t have the same aspiration as you.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「同じ志を共有できない人物と、互いに相談し合うべきではない。」

Translated by へいはちろう

交際するなとは言わないが、あまり深く関わるなという事でござろうか。確かに目指すものが違えば意見が違うのも当然でござるから、あまり議論する事に拘ってもしょうがないでござるな。ただ違う視点からの意見が欲しい時には非常に有効な場合もあるかも知れないでござる。

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孔子の論語 衛霊公第十五の三十九 教えありて類なし

孔子の論語の翻訳428回目、衛霊公第十五の三十九でござる。

漢文
子曰、有教無類。

書き下し文
子曰わく、教えありて類なし。

英訳文
Confucius said, “For the people, there is education, there is no discrimination.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「人間は教育によって良くも悪くもなる。生まれついた性質に違いはない。」

Translated by へいはちろう

孔子の学問と教育に対する信念のようなものでござるな。

時代が下がると、孟子が性善説をとなえて、荀子が性悪説をとなえるのでござるが、二人とも教育の重要性について述べている点には共通しているのでござる。

それに反して老子は人間本来の性質には善も悪もないという点では孔子と同じなのでござるが、「人間に余計な知恵と欲があるから善悪に人を区別するようになるのだ」、と孔子の考えとは逆の結論に達しているのでござる。

どちらが正しいという問題ではないので、ぜひそれぞれを一読してもらいたいものでござる。

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孔子の論語 衛霊公第十五の三十八 君に事えては、其の事を敬して其の食を後にす

孔子の論語の翻訳427回目、衛霊公第十五の三十八でござる。

漢文
子曰、事君敬其事而後其食。

書き下し文
子曰わく、君に事(つか)えては、其の事を敬して其の食を後(あと)にす。

英訳文
Confucius said, “You should devote yourself to your duty before considering your salary, when you serve your lord.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「主君にお仕えする時には、自分の責務を果たす事に専心して給料の事など後回しにしなさい。」

Translated by へいはちろう

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孔子の論語 衛霊公第十五の三十七 君子は貞にして諒ならず

孔子の論語の翻訳426回目、衛霊公第十五の三十七でござる。

漢文
子曰、君子貞而不諒。

書き下し文
子曰わく、君子は貞(てい)にして諒(りょう)ならず。

英訳文
Confucius said, “A gentleman is constant, but he is not obstinate.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「人格者は貞節で簡単に自分を曲げないが、頑迷という訳ではない。」

Translated by へいはちろう

自分をしっかりもって貞節である事と、頑固・頑迷であるということの差は物事を重要さに応じて判断できるということでござろうか。

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孔子の論語 衛霊公第十五の三十六 仁に当たりては、師にも譲らず

孔子の論語の翻訳425回目、衛霊公第十五の三十六でござる。

漢文
子曰、當仁不譲於師。

書き下し文
子曰わく、仁に当たりては、師にも譲(ゆず)らず。

英訳文
Confucius said, “You don’t have to hesitate for your teacher, when you perform benevolence.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「仁を実践する時は、師匠に対しても遠慮する必要はない。」

Translated by へいはちろう

弟子達に対しておっしゃった事でござろう。孔子は学問を実践することを大切にしていたので、「いちいち仁に適うかどうか私に尋ねるな、実践して自分で学ぶのだ」という意味もあったのでござろうな。

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