孔子の論語 衛霊公第十五の三十九 教えありて類なし

孔子の論語の翻訳428回目、衛霊公第十五の三十九でござる。

漢文
子曰、有教無類。

書き下し文
子曰わく、教えありて類なし。

英訳文
Confucius said, “For the people, there is education, there is no discrimination.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「人間は教育によって良くも悪くもなる。生まれついた性質に違いはない。」

Translated by へいはちろう

孔子の学問と教育に対する信念のようなものでござるな。

時代が下がると、孟子が性善説をとなえて、荀子が性悪説をとなえるのでござるが、二人とも教育の重要性について述べている点には共通しているのでござる。

それに反して老子は人間本来の性質には善も悪もないという点では孔子と同じなのでござるが、「人間に余計な知恵と欲があるから善悪に人を区別するようになるのだ」、と孔子の考えとは逆の結論に達しているのでござる。

どちらが正しいという問題ではないので、ぜひそれぞれを一読してもらいたいものでござる。

衛霊公第十五の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 衛霊公第十五を英訳を見て下され。