孔子の論語 憲問第十四の二十八 君子は思うこと其の位を出でず

孔子の論語の翻訳371回目、憲問第十四の二十八でござる。

漢文
曾子曰、君子思不出其位。

書き下し文
曾子(そうし)の曰わく、君子は思うこと其の位を出でず。

英訳文
Zeng Zi said, “Gentlemen do not think of matters that are not their duty.”

現代語訳
曾子(そうし)がおっしゃいました、
「人格者たるもの、自分の職分を越える事については考えないものだ。」

Translated by へいはちろう

曾子(Zeng Zi, 姓は曾、名は参、字は子與。詳細は里仁第四の十五に。)

おそらく「自分の責任を果たす事に集中するから、他人のやる事にいちいち首を突っ込んでいる暇などないはず。」という事なのでござろうが、なんとなく官僚の「事なかれ主義」のイメージが思い浮かばれるでござるな。

現在の日本の官僚が「事なかれ主義」なのか、それとも「自分の責務に忠実」なのかなどという野暮な話はテレビにでもまかせておくとして、曾子のおっしゃる事は正論でござるな。

憲問第十四の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 憲問第十四を英訳を見て下され。