孔子の論語 雍也第六の十八 文質彬彬として然る後に君子なり

孔子の論語の翻訳138回目、雍也第六の十八でござる。

漢文
子曰、質勝文則野、勝質文則史、文質彬彬、然後君子。

書き下し文
子曰わく、質(しつ)、文に勝てば則(すなわ)ち野(や)。文、質に勝てば則ち史(し)。文質(ぶんしつ)彬彬(ひんひん)として然る後に君子なり。

英訳文
Confucius said, “you will be unrefined if you prefer nature to appearance. you will be superficial if you prefer appearance to nature. Gentlemen should have good nature and appearance.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「外見にこだわらず内面だけを重んじれば野暮ったくなってしまう。内面にこだわらず外見だけを重んじれば薄っぺらくなってしまう。人格者は内面と外見をバランス良く保たねばならない。」

Translated by へいはちろう

儒学における礼にはとても細かい服装などの規定があるでござるな。ここでいう外見とはそういう意味の外見で、内面も大事だが最低限の外見は礼儀として取り繕うべきだという事でござろうか?

確かに極端に外見にこだわらな過ぎるのもいかがかと思うのでござるが、残念ながら雍也第六の五で紹介した原思と子貢のエピソードにもある様に、外見から内面まで判断されてしまう事はしばしばでござるな。

原思は貧しいながらもボロボロの礼服を身にまとって子貢に応対しているので、やはり外見をまったく無視しているわけでなく内面と外見のバランスを保っていたのであり、それを理解できなかった子貢に見る目が無かったと言えるでござろう。

子貢はその事を指摘されて反省するのでござるが、我らが人を見るときにも注意が必要でござるな。

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