孔子の論語 為政第二の三 道びくに徳を以てし斉うるに礼を以てすれば恥ありて且つ格し

 孔子の論語の翻訳19回目、為政第二の三でござる。

漢文
子曰、道之以政、齊之以刑、民免而無恥、道之以徳、齊之以禮、有恥且格。

書き下し文
子曰わく、これを道びくに政を以(もっ)てし、これを斉(ととの)うるに刑を以てすれば、民免(まぬが)れて恥ずることなし。これを道びくに徳を以てし、これを斉うるに礼を以てすれば、恥ありて且(か)つ格(ただ)し。

英訳文
Confucius said, “If people are led with the law and corrected with punishments, they will not be ashamed to evade punishments. If they are led with morals and corrected with courtesy, they will have a sense of shame and be right.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「人々を法令によって導き刑罰によって正すとしたら、彼らは罰を免れようとして恥とも思わなくなるだろう。もし人々を道徳によって導き礼儀によって正すとしたら、彼らは恥を知り正しくあろうとするだろう。」

Translated by へいはちろう

今回の文は法治主義に対する儒学の徳治主義というやつでござる。 孟子の性善説や荀子の性悪説(後に法家の祖となる)は孔子より数代後でござるが、非常に勉強になるのでぜひ両方読んでいただきたい。なお孔子のこの言葉は法律が万能では無い事を言っているだけで何も法律の効用を否定している訳では無いと拙者は思うのでござる。

為政第二の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの孔子の論語 為政第二を英訳を見て下され。