孔子の論語 郷党第十の三 君召して擯たらしむれば、色勃如たり、足躩如たり

孔子の論語の翻訳243回目、郷党第十の三でござる。

漢文
君召使擯、色勃如也、足躩如也、揖所與立、左右其手、衣前後襜如也、趨進翼如也、賓退、必復命曰、賓不顧矣。

書き下し文
君(きみ)召(め)して擯(ひん)たらしむれば、色(いろ)勃如(ぼつじょ)たり。足(あし)躩如(かくじょ)たり。与(とも)に立つ所を揖(ゆう)すれば、其の手を左右にす。衣(ころも)の前後(ぜんご)襜如(せんじょ)たり。趨(はし)り進むには翼如(よくじょ)たり。賓(ひん)退けば必らず復命(ふくめい)して曰わく、賓顧(かえり)みずと。

英訳文
Confucius walked at brisk pace with a strained face when he attend to guests by his lord’s order. He stretched his arms to the right and left when he bowed to other ministers, and his robe moved elegantly. His brisk step was graceful like a bird spreading its wings. After guests left the palace, he reported to his lord without fail that guests had never looked back because they were satisfied.

現代語訳
孔子が君主の命令で賓客をもてなす時には、緊張した面持ちでそろそろと小刻みに歩かれた。一緒に接待役を務めている他の大臣におじぎをする時には、両手を右や左に頭と共に相手へ向けられてお辞儀されて礼服が体と共に優雅に動いた。小走りに歩まれる様は翼を拡げた鳥の様に優雅であった。賓客が退出される時に見送りで付き添った後は、君主の所まで必ず戻って来て、「(もてなしに満足していたので)お客様達は一度も振り返る事無く帰られました。」と報告された。

Translated by へいはちろう

郷党第十の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 郷党第十を英訳を見て下され。