孔子の論語 郷党第十の一 孔子、郷党に於て恂々如たり

孔子の論語の翻訳241回目、郷党第十の一でござる。

漢文
孔子於郷黨恂恂如也、似不能言者、其在宗廟朝廷、便便言唯謹爾。

書き下し文
孔子、郷黨(きょうとう)に於(おい)て恂々如(じゅんじゅんじょ)たり。言うこと能(あた)わざる者に似たり。其の宗廟(そうびょう)、朝廷(ちょうてい)に在(いま)すや、便々(べんべん)として言い、唯(た)だ謹(つつ)しめり。

英訳文
Confucius spoke a little in his hometown modestly, like he could not speak. But at the ancestral temple of the country and the Court, he spoke fluently. He behaved modestly in that case, too.

現代語訳
孔子は故郷に帰った時はまるで口がきけなくなったかの様にあまりお話にならず、謙虚な態度をとっておられた。しかし先祖を祀る社や朝廷に居る時には流暢にお話をされた、その場合でも謙虚な態度は失われなかった。

Translated by へいはちろう

キリスト教の聖書には「預言者は故郷では敬われない」という一節があるのでござるが、それが思い出されるでござるな。

孔子がいくら勉学に励み、修身して偉大な人物となっても若い頃の失敗や「若気のいたり」を知る故郷の人々の前では謙虚な態度にならざるを得ないのが人情と言うものでござる。

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