孔子の論語 子罕第九の十 これを見ては少しと雖も必ず作ち、これを過ぐれば必ず趨る

孔子の論語の翻訳218回目、子罕第九の十でござる。

漢文
子見齊衰者冕衣裳者與瞽者、見之雖少者必作、過之必趨。

書き下し文
子、斉衰(しさい)の者と冕衣裳(べんいしょう)の者と瞽者(こしゃ)とを見れば、これを見ては少(わか)しと雖(いえど)も必ず作(た)ち、これを過ぐれば必ず趨(はし)る。

英訳文
When Confucius saw a person being in mourning, wearing full dress or a blind person, he always stood up to pay his respects even if they were younger than him. He also ran with short steps when he passed by them.

現代語訳
孔子は喪服を着た人と礼服を着た人と盲人を見かけた時は、たとえそれが年少者であっても立ち上がって敬意を表された。また彼らの側を通り過ぎる時には小走りになって敬意を表された。

Translated by へいはちろう

衛霊公第十五の四十二でも孔子は盲人の楽師に対して手取り足取り世話をしているでござるな。

当時の中国では盲人は楽師になる事が多かったようでござる。日本でも琵琶法師や座頭とよばれる按摩師・鍼灸師の人々は盲人であることが多かったのでござる。(座頭は本来は琵琶法師の位の名前)

京都のお土産で有名な「八橋」の名前の由来である八橋検校(やつはしけんぎょう)も盲人の楽師でござるな、彼らは朝廷や幕府から保護されて日本の音楽文化を支える役目を担っていたのでござる。

子罕第九の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 子罕第九を英訳を見て下され。