孔子の論語 憲問第十四の四十 是其の不可なることを知りて而もこれを為す者か

孔子の論語の翻訳383回目、憲問第十四の四十でござる。

漢文
子路宿於石門、晨門曰、奚自、子路曰、自孔氏、是知其不可而爲之者與。

書き下し文
子路(しろ)、石門(せきもん)に宿る。晨門(しんもん)曰わく、奚(いず)れよりぞ。子路が曰わく、孔氏よりす。曰わく、是(これ)其の不可なることを知りて而(しか)もこれを為す者か。

英訳文
Zi Lu spent a night at the Stone Gate. A gatekeeper asked, “Where are you from?” Zi Lu replied, “I’m Confucius’ disciple.” The gatekeeper said, “A disciple of the person who is doing wasted efforts with knowing his ideal is impossible?”

現代語訳
子路(しろ)が石門で一夜を過ごしました。門番が子路に、
「どちらからおいでですか?」
と尋ねたので、子路は、
「孔先生の弟子だ。」
と答えました。すると門番は、
「あの無理と知りながら理想を追ってる人の弟子ですか。」
と言いました。

Translated by へいはちろう

この門番の言葉はなかなかに痛烈でござるな。老子も伝説では周の書庫の管理人をしていたということだし、当時の下役人には権門に近づいて理想を達成しようとする孔子のような人物には批判的な人間も多かったのかも知れないでござるな。

憲問第十四の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 憲問第十四を英訳を見て下され。