孔子の論語 述而第七の十九 我は生まれながらにしてこれを知る者に非ず

孔子の論語の翻訳169回目、述而第七の十九でござる。

漢文
子曰、我非生而知之者、好古敏以求之者也。

書き下し文
子曰わく、我は生まれながらにしてこれを知る者に非ず。古(いにしえ)を好み、敏(びん)にして以てこれを求めたる者なり。

英訳文
Confucius said, “I’m not a born scholar. If anything, I’m a man who likes learning ancient wisdom and devotes oneself to it.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「私は生まれながらに多くを知っていた訳ではなかった。むしろ古代の英知を学ぶのが好きなだけで、学問に没頭しているだけに過ぎない。」

Translated by へいはちろう

普通に読んだら「孔子って人は謙虚で勤勉で偉いなぁ」という感想しかもてないような文でござるが、当時の人々にとっては学問を学ぶ余裕がある人はそれほど多くなかったのではないでござろうか?孔子の弟子の中には裕福な家の出の方もいれば貧しい家の出の方もおられるのでござるが、どちらにせよ日々の生活や家族を養うために満足に学問ができない御仁も居られたのではないでござろうか。

拙者自身、歴史好きが講じて英語を学ぶ様になって現在この様なブログを書いているのでござるが、学ぶことが出来る環境がある事に感謝でござる。少し歩けば図書館もあり、インターネットには膨大な情報が溢れている。もちろんそれらの情報を取捨選択する能力は必須となってくるのでござるが、玉石混交の情報から有益な情報を選び出す作業がまた楽しい。

ただ孔子は学問が好きなだけでなく、日々の行いも律しておられたでござろう、でなければ多くの弟子が慕いついて行くはずがござらん。そこで拙者自身をかえり見てみれば・・・ダメダメでござるな。

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