老子 第四十章 反る者は道の動なり

老子の翻訳、第四十章でござる。

原文
反者道之動。弱者道之用。天下萬物生於有、有生於無。

書き下し文
反(かえ)る者は道の動なり。弱き者は道の用なり。天下万物は有より生じ、有は無より生ず。

英訳文
A person who knows “the way” retreats instead of advance. A person who knows “the way” is weak instead of being strong. All things of the world are produced from “existence”. But “existence” is produced from “nothing”.

現代語訳
前に進むのではなく、後ろへ戻るのが「道」を知った人間の動き方だ。強くたくましいのではなく、弱々しいのが「道」を知った人間の在り方だ。この世の全ては「有」から生じるが、「有」は「無」から生じてくるのだ。

Translated by へいはちろう

新年あけましてあめでとうでござる。

さて年も明けてひさびさに老子道徳経の翻訳を再開しようと思う次第でござるが、ずいぶんと間が空いてしまったので拙者の頭の中に住んでる老子がどこか遠くへ行ってしまってるみたいでござる。単に英語に翻訳するだけなら大した問題はないのでござるが、老子の文を読んでも頭が空っぽで何の感情も起こらない。「共感」をテーマに翻訳をすると言っているのに、老子を読んでも心に響くものがまったく無いというのは実に困った事でござるな。

老子という思想の本質からいえばある意味でこれは理想的な状態といえなくもないでござろうが、淡々と英語訳するだけならむしろ何もしない方が良い。どうやら今の拙者には無意識下にあるストレスとか欲求不満とか、感情を動かす大事なエネルギーが欠けている様なので(解りやすく言うと正月ボケ)、なんとかしなければと思っている次第。

老子の英訳をまとめて読みたい方は本サイトの老子道徳経を英訳をご覧くだされ。