最近、児童文学があらためて面白い

論語や老子の翻訳なんかしているので、もしかしたら拙者はいつもそんな小難しい本ばかり読んでいると思われているかも知れないでござるが、実際には拙者の読書の趣味は結構ミーハーでござる。

最初に読んだ洋書がスターウォーズでござったし、その後もハリーポッターシリーズとかハウルの動く城の原作とか、基本的には世間で話題となった娯楽作品を読むことが多いでござるな。あとはたまに趣味として日本や中国の古典や日本語の歴史書や哲学書を読むくらいでござる。

そんな中、最近はこれといって話題になるような作品に出会えず、読書欲が刺激されない毎日を送っていたのでござるが、たまたま立ち寄った図書館の洋書コーナーでマーク・トウェインのハックリベリーフィンの冒険(Adventures of Huckleberry Finn)を見つけて、「過去の名作を読むのもいいかも知れない」と思い至って読んでみたのでござる。

児童文学だから簡単だろうと侮って読んでみると、これがかなり難しい。なんとこの作品、1800年代前半のミシシッピ地方の方言で登場人物の台詞が書かれている。文法も単語も発音も現代アメリカ英語とほんの僅かだが違う。さらに主役のハック、黒人奴隷のジム、その他の大人の白人たちがそれぞれ少しづつ違う英語で話す。その上1800年代前半と言えば日本はまだ江戸時代というくらい昔の話なので、何の事を言っているのか辞書を引きながらでも解らない言葉がたまにある。はっきり言えばただ読むだけで苦痛で、ストーリーを楽しむどころでは全く無かったのでござる。

そんな感じで久方ぶりに自分の英語力に関する挫折感を味わった拙者でござったが、それはそれとして遠い昔の幼い頃に日本語で読んだ事があるであろう児童文学をあらためて原書である英語で読み返してみようと、暇をみつけては読書を続ける毎日を送るようになったのでござる。ちなみに今現在読んでいるのは、ジーン・ウェブスターのあしながおじさん(Daddy-Long-Legs)でござる。この作品は特に難しいという事もないのでござるが、日本語でも読んだこともなく名前だけ知っている作品なので新鮮な気持ちで読めるでござる。あとはヘミングウェイの老人と海(The Old Man and the Sea)とか、児童文学ではないが有名だから名前だけは知っているという本も何冊か読んでいるでござる。

またこれら過去の名作は、著作権の保護期間が過ぎてパブリックドメインになっている事が多いので、プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg)などの電子図書館で無料で読める点も良いでござるな。このサイトについては本サイトの著作権の切れた名作を無料で読もうというページでも紹介しているでござるので、利用方法などについてはこちらも読んでくだされ。拙者自身は近所の図書館の洋書コーナーが充実しているので基本的にはそちらを利用しているのでござるが、近くに図書館が無いという御仁はこちらのサイトを利用するのも良いのではないでござろうか。