孔子の論語 八佾第三の七 君子は争う所なし

 孔子の論語の翻訳47回目、八佾第三の七でござる。

漢文
子曰、君子無所爭、必也射乎、揖譲而升下、而飮、其爭也君子。

書き下し文
子曰わく、君子は争う所なし。必ずや射(しゃ)か。揖譲(ゆうじょう)して升(のぼ)り下(くだ)り、而(しこう)して飲ましむ。其の争いは君子なり。

英訳文
Confucius said, “Gentlemen don’t like conflicts. At most they have a competition of archery. At the competition, they behave politely to their competitors. And a winner treat a loser to a cup of sake. This is a manner of gentlemen’s competition.”

現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「君子(すぐれた人格者)は争いを好まぬものだ、せいぜいが弓の腕前を競うくらいだろう。その場合でも対戦相手に対しお互いが礼儀正しく譲り合い、勝者は敗者に酒を振る舞って遺恨を後に残さない。これこそ君子の争いの作法であろう。」

Translated by へいはちろう

簡潔に言ってしまえば、スポーツマンシップというやつでござるな。人より抜きん出たいという競争心理は人間の本能の様なものでござる。それは人を成長させるのには欠かせないものなのでござるが、自らを誇るより他者を貶める方向で作用してしまうと自分も相手も結局損をするものでござる。常に相手に対して敬意を払い、事が終わってノーサイド、洋の東西に関わらず、かくありたいものでござる。

八佾第三の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの孔子の論語 八佾第三を英訳を見て下され。