秋でなくても食欲だけはいつも旺盛な、いつか使ってみたい英語表現シリーズ。
not a (living) soul
誰も~ない
今回紹介するのもまたまたムーミンの小説から。シリーズ第7作目の「ムーミン谷の仲間たち(邦題) / Tales from Moominvalley(英題) / Det osynliga barnet(原題)」の67ページ目で、ドラゴンを捕まえたムーミンがムーミンママに、川に遊びに行っている間は誰も部屋に入らないでとお願いして、ムーミンママがミィに対して言ったセリフでござる。
I’m going down to the liver after lunch,” Moomintroll said, slowly and contemptuously. Contemptuously as a dragon. “Mother, please tell them that they’re not to go into my room. I can’t answer for the consequence.” “Good,” said Moominmamma and gave My a look, “Not a living soul may open his door.”
Tove Jansson / Tales from Moominvalley 第4章より
直訳すると「生きている魂」の否定形、という事なのでござるが、この a living soul というのは要するに人間 (a person) の事でござる。つまり not a living soul で nobody あるいは not anybody という意味でござる。上のムーミンママのセリフだと「誰もムーミンの部屋のドアを開けてはいけませんよ。」という事でござるな。ちなみに living は省略される事が多く、not a soul だけでも nobody の意味になるでござる。
Don’t tell a soul.
誰にも言うなよ。
また a (living) soul が人間という意味なので以下のような表現もできるでござる。
every (living) soul
全員、みんな = everybody, everyone
まあ「魂」なんて言葉が使われている事から、どちらかといえば古風なというか芝居がかった印象を受けるでござるな。日本人が無理に使う必要はないでござるが、この表現にふとでくわした時には「生きている魂? この人は突然何を言い出すの?」なんてあわてない様にしたいものでござる。