孔子の論語 顔淵第十二の十八 苟も子にして不欲ならば、これを賞すと雖ども竊まざらん

孔子の論語の翻訳307回目、顔淵第十二の十八でござる。

漢文
季康子患盗、問於孔子、孔子對曰、苟子之不欲、雖賞之不竊。

書き下し文
季康子(きこうし)、盗(とう)を患(うれ)えて孔子に問う。孔子対(こた)えて曰わく、苟(いやしく)も子にして不欲(ふよく)ならば、これを賞(しょう)すと雖(いえど)も竊(ぬす)まざらん。

英訳文
Ji Kang Zi asked Confucius how to prevent robbery and thievery. Confucius replied, “If you had no self-interest, people would not rob or thieve even if you awarded robbers and thieves prizes.”

現代語訳
季康子(きこうし)が盗賊の事を心配して孔子に尋ねました。孔子は、
「もしあなたが私利私欲を持たなければ、たとえ盗賊に賞金を与えたとしても人々は盗みを働かなくなるでしょう。」
と答えられました。

Translated by へいはちろう

季康子(きこうし:魯の宰相、姓は季孫、名は肥、康子は諡(おくりな)。魯の実質的支配者である三桓氏の筆頭。)

前回の文と意味するところはほぼ同じでござる。少し極端な印象をうけるのでござるが、季康子に対して皮肉として言ったような感じもあるでござるな。

顔淵第十二の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの論語 顔淵第十二を英訳を見て下され。