月別アーカイブ: 2007年5月

お庭番

  今日も日本史や時代劇に関する文章を英文にするまげたんでござる。

お庭番

“Oniwaban” means “garden keeper”, people who engaged in espionage for the Shogun. Their task resembled Ninja’s, but they were not Ninja.

「お庭番」とは「庭の番人」と言う意味であり、将軍のために諜報活動に従事する人々の事を指します。彼らの職務は忍者と似ていますが彼らは忍者ではありません。

engage in =~に従事する
espionage=スパイ活動・諜報活動
resemble=似ている

今回のテーマはお庭番でござった。諜報活動に従事している事から彼らを忍者だと思っている御仁は多かろうと思うでござるが、彼らは忍者では無く侍でござる。

入り鉄砲に出女

休息も十分にとったのでブログを再開すると言うことでござるが、今回また新たにカテゴリを新設する事にしたのでござる。

その名は「まげたん」、本サイトの方には開設当初からあるのでござるが解らない方に説明すると時代劇や日本史の有名なエピソードやセリフを英語に訳すというものでござる。要するに歴史オタクの拙者が一時期賛否両論で物議を醸したもえたんに影響を受けて「萌えがあるのにまげがないのはおかしい」と一人で作成してた単語例文集でござる。まぁ本サイトのまげたんを見てもらった方が早いでござるな。

まぁ、その「まげたん」をこちらで一文づつ続けてある程度溜まったら本サイトへのアップして行こうと言う事でござる。では早速今回のフレーズ。

入り鉄砲に出女

At the Hakone barrier, women who go out and people who enter with guns are severely investigated.
(箱根の関所では出て行く女性と鉄砲を持って入る人は厳しく検査されます)

investigate=調査する・検査する

・・・とまぁ歴史や時代劇に興味ない人には面白くもなんともないカテゴリが始まるのでよろしくお願いするでござる。

あわてない、あわてない。一休み、一休み。

懐かしい一休さんのフレーズでござるが、ここしばらく十七条憲法の翻訳などというかなり大変な更新ばかり続いていたのでここでちょっと肩の荷を降ろしてのんびりしたいと言う訳でござる。訪問者も減ってしまったでござるしな。

しかしそんな中でも本サイトは本サイトでしっかりと更新をつづけており、熟語編には基本動詞を使った熟語をグルーピングして掲載などしてみたでござる。

またこちらのブログで翻訳した俳句や古典、漢詩などもまげたんの方へまとめて掲載することにしたので興味のある方は見てみて欲しいでござる。

今後の方針としては英語学習のモチベーション維持と趣味を兼ねて古典などの翻訳を続けるでござろうな。継続は力なり、やる気が無い時は何をやっても駄目でござるが、やる気のある時はどんどんやらなきゃもったいないでござるからな。

十七条憲法を翻訳 十七に曰く

聖徳太子による十七条憲法の翻訳、第十七条でござる。

原文
十七曰、夫事不可濁斷。必與衆宜論。少事是輕。不可必衆。唯逮論大事、若疑有失。故與衆相辨、辭則得理。

書き下し文
十七に曰く、それ事(こと)は独り断(さだ)むべからず。必ず衆とともに宜しく論(あげつら)うべし。少事はこれを軽し。必ずしも衆とすべからず。ただ大事を論うに逮(およ)びては、もしは失(あやまち)有らんことを疑う。ゆえに衆とともに相弁(あいわきま)うるときは、辞(こと)則(すなわ)ち理を得ん。

英訳文
When you make an important decision, you must discuss with others. You may decide small matters alone. However, important matters should be discussed with others not to make an error. If you discuss with others, you will obtain a reasonable conclusion.

現代語訳
物事は一人で判断してはいけない。必ず他の者たちと一緒に議論して決めなさい。些細な事については、必ずしも他の者の意見を聞かなくても良い。しかし重要な事を議論して決める時には、過ちがあってはならない。他の者たちと相談して判断するならば、道理の通った結論が得られるであろう。

Translated by へいはちろう

話し合いで問題を解決するというのは日本の伝統的手法のような気がするでござるな。古事記や日本書紀などでも、神話に登場する神様たちは問題が起きれば集まって話し合いをする場面が何度か出てくるでござる。もちろん話し合いで問題が解決しなければ武力を用いることもあるし、大国主命の国譲りが話し合いの結果なのか単なる侵略なのか議論の分かれる所でござろうが、少なくとも体裁の上では話し合いを重んじているような描写が多いのも確かでござろう。これを逆説的に見るならば、太子の考え方が古事記や日本書紀の編纂に影響を与えたという可能性も無視できないのではないでござろうか。果たして卵が先か、鶏が先か。

とにもかくにも現代日本人である我々の多くは問題が起きれば、まず話し合いで解決するのが良い事だと特に何の疑問を抱く事なく考えているでござる。もちろん拙者もそのように考えているわけでござるが、どうしてそういう国民性になったのか考えてみるのも一興ではないでござろうか。小田原評定なんて言葉があるように、話し合いをすれば必ず名案が浮かぶという訳でもない。国境が言葉の通じぬ異民族に囲まれていれば、話し合いする前にまず武力が大切だという考え方が主流となるかも知れない。日本にだって武力が何よりもものを言う戦乱の時代がなかった訳でもない。一般的に国民性というのは経験則によって培われていくものだと思われるので、この事に一定の結論を得るには広範な日本史の知識が要求されるでござろう。もとより歴史好きな拙者にも一応の答えがないわけでもないでござるが、ここは結論を急がず問題を提起するにとどめておくでござる。

と言ったところで十七条憲法の翻訳及び解説をこれにて終了するでござる。原文・書き下し文・英訳文は2007年4月から5月にかけて作成したのでござるが、現代語訳及び解説は2011年7月に追加したものでござる。それに合わせて原文・書き下し文・英訳文にも若干の修正を施してあるのでその点ご了承くだされ。

※全条文の英訳を読みたい方は聖徳太子の十七条憲法を英訳をご覧くだされ。

十七条憲法を翻訳 十六に曰く

聖徳太子による十七条憲法の翻訳、第十六条でござる。

原文
十六曰、使民以時、古之良典。故冬月有間、以可使民。從春至秋、農桑之節。不可使民。其不農何食。不桑何服。

書き下し文
十六に曰く、民を使うに時を以(も)ってするは、古(いにしえ)の良き典(のり)なり。故に、冬の月に間(いとま)あらば、以って民を使うべし。春より秋に至るまでは、農桑(のうそう)の節(とき)なり。民を使うべからず。それ農(たつく)らずば何をか食らわん。桑(くわと)らずば何をか服(き)ん。

英訳文
When you employ the people for public duties, you must consider seasons. This is the good rule from ancient times. Therefore you should employ them in winter while they are at leisure. From spring to autumn, they are engaged in agriculture and sericulture. You should not employ the people. If they do not cultivate fields, what can we eat? If they do not raise silkworms, what can we wear?

現代語訳
時節を選んで民衆を使役するのは、古くからの良いしきたりである。だから冬の間の手が空く時に、民衆を使役するようにしなさい。春から秋にかけては、農耕や養蚕をしなければならないから、民衆を使役してはならない。彼らが農耕をしなければ我々は一体何を食べるというのか。養蚕をしなければ我々は一体何を着るというのか。

Translated by へいはちろう

“民を使うに時を以ってす” は論語 学而第一の五にもある言葉でござるな。ただしこれは儒学的というよりは為政者としては当然しなければならない配慮でござろう。

しかしその当然の配慮が実際の政治でちゃんと守られるかどうかといえば別の話であるみたいで、九州沿岸部の防衛のために徴兵された防人(さきもり)など時節を考えぬ農民の使役の例は枚挙にいとまがない。そもそも聖徳太子の時代(602年の春二月)にも新羅征討を理由として太子の弟の来目皇子を将軍として2万5千の兵が筑紫に集められたと日本書紀に書いてあるので、他ならぬ太子自身が守れていないのでござる。十七条憲法の制定は604年でござるから、この時の反省を踏まえて今回の条文を加えたという解釈もできるので、この事をもって太子を批判するつもりはないのでござるが、太子の目指した理想と太子の実際の政治との隔たりも注意して読むべきでござろう。

※全条文の英訳を読みたい方は聖徳太子の十七条憲法を英訳をご覧くだされ。